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偽装人間@000【完結しました】
作者: 朔良   (総ページ数: 115ページ)
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 第7章 少女の母は天才である

 颯がコーヒーを飲み終えて、カップを置く。
「……こんなところだと話しにくいし、場所を変えない?」
 颯の口から出た言葉にさすがの澪も苛立った。
「そんなこと、どうでもいいのですが」
「結構大事だよ」
 そう言い、颯は澪の返事も聞かずに立ち上がる。レジで2人分の代金を支払い、外に出た。
 澪も観念したように颯の後ろに着いた。

 そして、着いた場所は1つのマンション。澪は不審に思ったが、ここで何かを口に出してしまえば、話を聞けなくなるかもしれない、と考え、黙ってついていく。

 203号室に入る。
 澪を先に部屋に入れてから颯も入り、扉の鍵を閉めて、澪の腕を掴み思い切り自分の身体の方に引っ張った。
「なに――」
「……抵抗もせずに男の部屋に入っちゃうとか少し無防備すぎるんじゃないの?」
 ニヤリ、と笑いながら颯は澪に告げる。
「なにされるか分かんないんだよ? 菊川澪ちゃん」

 その瞬間、身体を持ち上げられ、ベットへと押し倒された。

「……やっぱり新手のナンパですか」
「落ち着いてるね、怖くないの?」
「別に――特に何も思わないし、感じません」
「ふーん……じゃあ、お構いなく」

 颯はそう言い、澪の髪の毛に触れた。

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