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僕達の止まった砂時計【完結!!】
作者: 杏月  (総ページ数: 17ページ)
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10~

*2*

「嘘・・・。嘘だよね!?晴くんが死んじゃうなんて・・」
「まだ分からないよ。成功してる人達もいるんだし。・・・だからね」
「?」

晴は、心結が流した涙を手で拭いてあげた。
そして満面な笑顔で、

「もし死んじゃったら、その日にそれを逆にして砂を流して」
「え・・・?」
「僕が死ななかったら、流しちゃいけないよ。これからもずっと!!」
「う・・・うん」

何故流してはいけないのか、疑問に思った心結は返事をしながら、首を傾げた。

「何で流しちゃいけないの?」
「これはね。主の大切な人が死んじゃった時に砂を流した10年後に、戻ってくる・・・らしいよ」
「ほ・・・ホント?」

うん、と晴は頷いた。

「もし心結ちゃんの一番大切な人が僕なら・・・そうしてくれる?」
「うん。でも・・・・死んじゃ嫌だ!もっと一緒にいよう?」
「分かった。約束」
「うん。約束だよ」

その日、心結と晴は指切りをした。この先もずっと一緒にいよう、と。



そして数日後、晴は手術の失敗で亡くなった。
心結は泣かなかった。また、会える事を信じて砂時計を逆にした―――・・・。

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