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馬(シリアス)
作者: 栗おこわ  (総ページ数: 10ページ)
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*2*

第二話


朝ご飯をぱくぱく食べていた、そのとき

「叶野 勝殿はいるか」
「はい」
勝というのは、父のこと。やってきたのは武士
「この度、干潟城を攻めることになったのだ。そこで…」
その先は聴けなかった。父が食事中の私達に遠慮したのだろう、外に出たからだ
「…父上、どうしたのだろうか」
「さあね。早くお食べなさい」
と、母は食べ進める。
「・・・・」
母に押され、私も食べ進める

「…ねえ。遅くない?」
箸を止め、聞く
「…大事なお話なのよ」
「気にならないの?」
「私達に関係あるなら、話してくれるでしょう」
「…」
言葉に詰まったので、また、食べることにした
「……」

もう二十分程経ったろうか。
「遅い」
「確かに…」
母もここまでになるとさすがに心配している様子だ
「ちょっと表見てくるね」
と言い、玄関に向かった。すると
「うわっ!」
タイミングよく、扉が開いた
「と、父ちゃん!」
「おう、なんだ。どした?」
「遅いから、見に行こうとしてたとこ」
「そうか、すまない」
頭を少し私達に下げたあと、靴を脱ぎ、座布団に座った

          つづく

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