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銀色レース
作者: nagi  (総ページ数: 8ページ)
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*4*


*≪青い花≫*

黄色い国という国を知っている?

その国は今まで大きな争いもなく、とてもとても平和だった。


国のはずれにある、そこそこ大きな港町。
そこにはニーナという若い娘が住んでいた。

ニーナは働き者ではあったが、とても飽き性だった。

母に言われ通ったダンスの教室も、友人に誘われた行った絵画教室もどれもこれもがたったの5日でやめてしまっている。


そんな彼女にも一つだけいつまでも飽きずに続けているものがある。

それはガーデニングだ。

いろんな種類のきれいな花々を、季節によって表情を変える
魔法の庭に変えた。


暇さえあれば、庭へ行って花の世話をし
ニーナは花を愛していた。

とある休日のことだ。

ニーナのところへある人が訪れた。

「この町にいるギルヴァという男を知っているかな?」

その男は背が高く、全身ブラウンのパリッとしたスーツを着ていた。
パッと見た感じのイメージは、貴族の住む『アスタリナ』という町にいそうな男。だった。


ニーナはギルヴァを知っていたし仲が良かった。

「ギルヴァに何のご用件でしょう?」

ギルヴァは気が小さく(そして背も小さい)家は貧しい。
父親が鍛冶屋をやっているが大のバクチ好きで母親は一人出て行ってしまった。

「いやいや、彼に用というか伝言を頼まれていてね。」

「どなたからの?」



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