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*11*
SedueI
世界は、案外簡単にドアを開けてしまう。
目の前で起こった事もそうだ。
「…………ひっ」
目の前の人が、怖い。
世界が、怖い。
顔を埋め、
「目を合わせないで…!」
「へ…?」
と言うと、不思議そうに首をかしげた。
「い、石になっちゃうから…っ!」
「僕も、同じだよ?」
「へ?あ…目……っ」
再び隠そうとすると、男の子は私の手を止めた。
少し、ほっとした。
「大丈夫。」
目が、赤い。
「世界はさ」
そう言うと、私の前にしゃがんだ。
「案外、怯えなくても良いんだよ。」
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