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*8*
「続き」
↓英訳サイト様お世話になっております
SedueI
「夢見てたの。セトに会ったときの。」
‖
‖
世界は、案外シンプルだ。
複雑に怪奇した私なんて、誰にも理解なんてされない。
誰にも見つからないような森のなかで、私は考える。
ずっと、夢見てた。
物語のような、素敵な出逢いを。
「皆は、協力してメデューサを退治しました…」
本の中じゃ、いつでも悪役だ。
でも。
「想像すること、許して下さい…」
…なんて妄想なんかして、外を眺めていた。
「すみません。誰かいますか」
「!!」
突然聞こえたこえ。
それに動揺していると、ノックが聞こえてきた。
「きゃっ…」
飲みかけのハーブティーを机じゅうに撒き散らしてしまった。
「どうしよう…。」
『目をあわせると、石になってしまう』
…それは両親に聞いたこと。
私の目も、そうだ。
『私達は、メデューサなんだよ』
淡々とノックの音が鳴り響く。
同然、はじめてだ。
「緊張」なんてものじゃ足りないくらいで。
そのとき、外の光がドアからもれていた。
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