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生徒会”執行部”と”捜査部”~舞い散る桜STKとの出会い~完
作者: 雪姫  (総ページ数: 26ページ)
関連タグ: 主人公空気 ノンステップ・ハイテンション・ギャグ・ラブコメディ シリアス 推理サスペンス少々 
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10~ 20~

*24*






警察に連行された河野先生はその後取調室で全てを白状したそうだ。

まず最初起こした、曳鬼谷さんにやった事については
河野先生はある日幼女時代の曳鬼谷さんと出会い、醜い自分の見た目を気にせず普通に接してくれた曳鬼谷さんに一目惚れし、彼女の傍に合理的にいるために必死に勉強して教師になったそうだ。
そして曳鬼谷さんの通う学校の教師になり、ついには担任にまでなってあの事件を起こしたそうだ。
ただ毎日学校で眺め、登下校も眺め、家の中の生活までも覗き、STK(ストーカー)行為をしていても飽き足らず、もういっそのこと曳鬼谷さんを監禁して彼女が持つずべてを自分のものにしたかったらしい。
でもそれは失敗。曳鬼谷さんからは拒絶され、逮捕はされなかったけど彼女とは離れ離れになってしまった。

酷くショックを受けた河野先生は、拒絶された原因は太っていることだと思い整形手術を決意! 全財産を用いて、今のイケメン先生になったらしい。
その後に起きた蒼先輩、春たちの事件は河野先生なりの曳鬼谷さんへの罪滅ぼしだったらしい。なにを滅ぼしていたんだろう…?
同じことをされた被害者同士で何をさせようと言うのだろう…?

最後に春を突き落とした件については、突き落としことは認めるけどプールの中に海藻を沈め体をプールの底に固定する装置を設置したのは否定したらしい。
理事長に挑戦状を送り付けたのも違うと否定したそうだ。

春を殺りかけた人物は誰だったのだろうか…?





【で】



そしてあの日から数日後…寮の食堂にてみんな集合の晩餐会。

「それじゃー事件解決を祝ってー

「「「カンパーイ!!」」」

みんなでグラスを持ち上げる。中身はアップルジュース。
テーブルの上には和食から洋食中華、沢山の料理が並べられている。すべて古賀先輩の手作りだ。

「生徒会の仕事をしている間に先を越されるなんて…あむ」

今日は無礼講、執行部のメンバーも参加している。ちなみに桜ヶ丘くんは女子の制服を着ている。
茨音さんに耳うちで「なんで桜ヶ丘…女子の制服きてるの?」と聞かれたけどそこは軽く流しておいた。あと稲葉さんが鼻血を吹き出して倒れたけどそれも軽く流しておいた…。

「へっへーん! ヒマヒマの捜査部の勝利だね」

「…ヒマな捜査部と忙しい執行部…くふ」

「笑わないでよーヒッキー!」

「笑われてもしょうがないじゃないのかな、これは」

「えー蒼ちんまで~」

蒼先輩と曳鬼谷さんも参加している。今回の事件の被害者と功労者だから。

「それにしても…女子よりも高い女子力…パネェ…脚フェチ先輩「うっせぇぞ、メガバ」

メガバ? メガネをかけている稲葉さん…だからメガバ?

稲葉さんと古賀先輩は楽しそうに話している。ちょっと羨ましいな…私じゃあんなに楽しく話せないから…。

「デザートには~うちのお饅頭あるからね~」

「おぉうあの老舗和菓子店のお饅頭……じゅるり」

「ははっよだれが出ているよ、曳鬼谷くん」

「でもわかりますよ、その気持ち。餡子姉の家のおまんじゅうはすっごくおいしいもん」

「あぁ~だからシバさん、そんなふくよかな体系に…「貴女とそう変わらないはずですけど……?」

またこのふたりは……言い争うを始めだす。やっぱり喧嘩する程仲が良いって奴なのかもしれない。

「コガジュンはお嫁さんになれるよねー」

「なんで嫁なんだよ、オレは男だぞ?」

「でも…そうね古賀くんはいい主夫になれそうだわ」

「神無木まで…あのなぁ」

「古賀パイセンを嫁に貰ったら生活は安泰ですね」

「…確かに、毎日こんなおいしい料理が食べれるなら不良でもいいかも」

「オレは不良じゃねーし曳鬼谷、お前にかんしちゃオレが作るどうこうの前にまともな食生活をしてから言え!」

「カップ麵やインスタント食品は美味しいかもしれないけど、何事も程度が一番だよ曳鬼谷くん」

「うっ、アタシ今いじめられてます?」

「これはイジメじゃない、愛のムチだ」

「愛ちゃんだけにー? うわっさむっニギャー!!」

馬鹿にしたように笑う会長にイラついたのか、古賀先輩がおもっいっきり会長の頭をぶっ叩いた。
しばらくの間会長がテーブルにうっぷしたままだったけど……きにせず料理を楽しもう。

みんなそれぞれ好き勝手に話し、時には喧嘩をしながら楽しい晩餐会はエンドロールに向かって流れてゆく。


【で】


一通り料理を食べ終わった頃、副会長さんが

「でも貴女たち捜査部が勝っただなんて、私は認めないんだから!!」

と大きな声を上げた。会長は口についたソースを舐めながらニヤリと笑い

「もろちん! 今回の勝者はボクたちと言うよりハルゥだからね」

「……私れす?」

「そそっ。だってチミが体を張って頑張ってくれたから、ハゲ太の悪事を暴くことが出来たんだもんっ!」

そうかな、一番頑張ったのは怖い思いをさせられたのに勇気を振り絞ってプールに来てくれた曳鬼谷さんの方だと思う。
曳鬼谷さんを見ると、目が合い首を横に振られた。曳鬼谷さんも私が今回の一番の功労者だと思ったみたい。

「間をとって勝者のハルゥの願い事をイッコ叶えたいと思いまーす!」

執行部が勝ったら、一人一個ずつ会長が出来る範囲で願いを叶えてくれる。

捜査部が勝ったら、副会長さんをアレの刑にしょす……だったけ。


その間で私の願い事を会長がひとつだけ叶えてくれる…


                        だとしたら私は――



































「わぉ~~ん!」

「なんで吠えてんだよ阿呆」

「わぁ……桜の花が舞って…「桜餅が食べたくなるわね~」餡子姉!」

「うふふ~」

「すごいわね…これは桜吹雪っていうのかしら?」

「夜の…お花見……ぐふふ」

「これは…すごいどす」

「………わぁ」

「風月くんに感謝だね」

「ムヒも連れて来てあげればよかった……」


私が会長に頼んだのは【みんなでお花見がしたい】丁度今が満開の見どころだと朝のニュースでやっていたから。

すると会長が「じゃあ今行こう! すぐ行こう! 思い立ったが吉日あとは大凶日なんだから!」と言い出して今に至る。

桜の花びらが風に吹かれて踊っているみたい…すごく綺麗。

舞い散る桜吹雪とはしゃぐみんな…これはいい画だ。思い出メモリーに永久保存決定だね。




「ふぅちゃん…」



不意に懐かしい呼ばれ方をされたような気がした。でも気のせいでしょうそこには私以外誰もいなかったのだから――








舞い踊る桜



  舞い散る桜吹雪


      ――に包まれ彼の者声はかき消され


            花びらと共に何処か彼方へと飛んでゆくのだった

























                              舞い散る桜STKとの出会い 【完】

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