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作者: Leru (総ページ数: 19ページ)
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*3*
No,1有能への憧れ
昔からお兄ちゃんは私に良くしてくれた。
いつでも私と一緒に遊んでくれて、小学生のころからずっと勉強も教えてくれて、
毎朝登校も一緒。遅刻しかけた時もぎりぎりまで待ってくれて、一緒に走った時もあった。
お母さんもお父さんも私たちのことをすごくほめてくれる。
お兄ちゃんが褒められるのが凄くほこらしくて、一番うれしかった。
ご近所さんにも私たちは有名だ。ちやほやされている。
「お兄ちゃん‘は’偉いわね~」「‘この年になっても’連れて行って‘あげる’ものね~。」
「お兄ちゃん‘大変ね’」
きっと、お兄ちゃんは気づいてない。絶対。
少し、言葉に私に対しての棘が含まれていたり、睨まれていることに。
一人の時は聞こえてくる。
「きっと叶ちゃんは響君に全部持っていかれたのね。」
「ほんと、かわいそうだわー。」「やっぱり響君は天才なのよね。」
羨ましい。いいや、それでいいんだ。 お兄ちゃんがほめられているんだもの。
もう少し私頑張って、「いい妹ね。」ってお兄ちゃんが言われるようにするね。
出来損ないでごめんね。羨ましく思ってしまう私が嫌い。
こういう所が、こういう私が、きっと駄目なんだね。
私もっと頑張るから。
「憧れのお兄ちゃんのために。」
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朝
『お兄ちゃんおはよう。
ちゃんと、、寝てる?』
お兄ちゃんの机には大量の資料。K大の参考資料まで、、
エナジードリンクの空瓶も、、、お兄ちゃんの目の下には隈が、
「おう!全然大丈夫やで!」
お兄ちゃんはなけなしの力で私に柔らかな笑みを見せる。
お兄ちゃんは凄いなあ。
私だって勉強はちゃんとやっている。、、でも結果が出ない。
頭に言葉が響く。
『出来損ない、、。』 その言葉は母の料理の音にかき消された。
「叶?大丈夫か?疲れとるん?」
『、、いや?多分寝ぼけてるだけかな!』
笑って言った。、、笑えているはず。
『大丈夫だよ!』この言葉はのどにつっかえて、出なかった。
母「朝ご飯だよ~!今日は二人が好きなホットサンドだからねー!」
「やった!」
お兄ちゃんは嬉しそうだ。
昔だったら喜ぶはずなのに、うれしい感情が湧き出なかった。
『「いただきます。」』
「うまぁ~母さんこれ最高!」 母「嬉しいわ~!」
お兄ちゃんは頬を緩ませおいしそうに食べている。
母「叶!聞いて!最近、響が家事をしてくれるようになったの!
明日は響が夜ご飯作ってくれるって!」
『お兄ちゃん凄いね。』
家事までできて、勉強、運動できるんだって。
もう私いらないじゃん。
ほんと私何もできないな。