コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【アンケート】EUREKA【実施中です】 ( No.45 )
- 日時: 2015/01/28 11:54
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
 とても不機嫌そうに起き上がる真白もとい白雪姫に、詩音は悪びれもなく演技を始める。
 「『あなたはこの家の近くで倒れていたのです。何かあったのですか? ドナドナですか?』」
 「ドナドナ? 『僕……こほん。私は白雪姫。継母によって、国を追放されてしまった……です』」
 どんどんテンションが下がって行く白雪姫。本当はここで“可哀想だから、ここに置いてあげよう”と言うのだが、蓮は水を差し出しながらすかさずアドリブを入れる。
 「『嫌なことなら思い出さない方が良いよ。じゃあ、ここで暮したらどうかな』」
 「……『ありがとうございます』」
 『こうして白雪は、小人の家に居候することとなった。白雪が生きていると知った継母がこのまま何もしないはずがない。そもそも追い出したくらいで真白が死ぬとか思うな』
 「「「感情移入!?」」」
 ライトを落とし、場面を厄介な継母と鏡に切り替える。
 「『鏡よ鏡、鏡さん〜♪ 世界で一番うちゅくしいのは白雪姫ですか?』」
 (((噛んだ! また答えた!!)))
 「『はい、その通り。白雪姫です』」
 (((そして日向のスルースキルがあがってる!!)))
 「『どうやら、森の奥の小人たちの家でど……ごほん。暮らしているようです。白雪姫を始末しなければ、あなたは一番になれません』」
 「ど……?」
 「奴隷?」
 「ドナドナ」
 「「「あぁ」」」
 「納得するなよ!?」
 日向のスルースキルUP!のため、かろうじて無事に終わった(ただしシナリオめちゃくちゃ)継母と鏡。
 ライトが消えて、白雪姫が洗濯物を干している(ただし半分氷漬け)と現れたのは——
 『小人たちが仕事に行っている間、白雪姫は家の仕事をしていた。城にいた間はできなかった薪割りなど、好奇心旺盛な姫は嬉々としてやっていたそうだ』
 (((めっちゃ無表情で“薪割り”じゃなくて“洗濯物”干してるんですけど……!?)))
 『そんな白雪の元に、美味しそうなリンゴを持った女がやってくる』
 次の瞬間、——真白は思わず口元を押さえて笑いを堪えていた。
 そこにはリンゴの入ったバスケットを片手に黒いローブを纏った少女——鈴芽。そして——
 真っ赤なリンゴの被り物を被った、詩音がいた。
