コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: RAINBOW【合作短編集】 ( No.15 )
- 日時: 2014/11/14 23:07
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
- 三題噺「声優」「天の川」「枕カバー」 
 「よし、アニメを作ろう!」
 部長である私は4人の部員を見渡して宣言する。
 「なんで急に?」
 副部長兼絵画担当の絵美が言う。
 彼女は名前のとおり美しい絵を描く。
 パラパラ漫画を見せてもらったが素晴らしい出来だった。
 「まあ確かに私たちはアニメ部ですが何も活動していませんもんね」
 私より一つ年下、17歳の花音は声優志望。
 声の種類が何種類もある。
 性格は従順というか自分の意見がない、よくいえば他人の意見を聞ける子だ。
 「でもアニメ作るの大変でしょ?」
 一番年下のくせに敬語を使わないのは雄吾。
 小説を書くのが得意らしく元演劇部の脚本家らしい。
 前一度見せてもらったが確かに上手かった。
 「そ、そうですよ! アニメ、大変です!」
 花音と同い年の音羽はアニメを見る専門だからなあ。
 実際技術は私と同じく無に等しい。
 「ちなみにやるとしたらどんな感じをやりたいの?」
 「うーん、七夕が近いしその話がいいとは思っているけど……」
 意外にも絵美が賛成してくれそうなので(というか私は頑固なので意見を変えないと思われているからかもれないけど)簡単に内容を説明する。
 「七夕か……。やっぱ織姫と彦星か?」
 脚本家の優吾が意見を出す。
 「でもそれだと普通すぎるんだよな〜。もっといいのない? 例えば天の川を泳いでいる途中イルカにあったり、短冊に願い書いたらその反対のことが叶っちゃったりとか」
 「ある意味すごい意見だな……。まあいいけど」
 「声は何種類でもありますし複数の登場人物でも大丈夫ですよ」
 心強い一言は花音。
 「私も、できる限り協力、します」
 とぎれとぎれにもしっかり意見を言う音羽。
 音羽は人付き合いがあまり得意でないらしいということを前花音から聞いた。
 でも入部当初は全く話してくれなかったからまだマシになったほうだろう。
 「じゃあ作るか! 期限は1ヶ月後の文化祭!」
 私のこの宣言からアニメ作りは開始された。
 * * *
 早くも1ヶ月が過ぎ去った。
 結局10分の短いアニメを作った私たちは部室で映像のチェックをすることにした。
 ストーリーはこういうものだ。
 ある日天の川で泳いでいた織姫がタツノオトシゴにのった彦星と一緒に天の川を冒険する。
 しかし途中で怪物が現れる。
 その怪物は白鳥が大きくなったもので基本無敵。
 しかしなぜか枕カバー(枕ではなく)で負けてしまうという変な生物。
 彦星は戦いを挑むがもちろん負ける。
 そして織姫が食べられそうになったとき、ハンカチと間違えて持ってきてしまった枕カバーが役に立つ。
 見事怪物をやっつけた織姫は彦星と一緒に暮らせるようになった。
 という意味不明な話。
 まあ夏の大三角形の星のひとつ、デネブは白鳥座だし少し七夕っぽい話になっていると思う。
 もう八月だけど……。
 夏休みに入ってから毎日部活をしてやっと完成させた。
 皆、楽しんでくれるかな……?
 * * *
 「文化祭の成功に、かんぱーい!」
 文化祭終了後、放課後私たちは近くのバイキングで打ち上げをしてい
 た。
 本当に頑張った……。
 来ていただいたお客さんにも喜んでもらえたし。
 『乾杯!』
 そういって今日のことを振り返りながらみんなでご飯を食べる。
 また来年もやりたいけれどその時に私は卒業している。
 こんなふうに笑い合えるのもあと少しなんだなと思うと少し寂しくなった。
 * * *
 あとがき
 なんか変でごめんなさい……。
 ちなみにストーリーで彦星が乗っているものをタツノオトシゴにしたわけはタツノオトシゴを漢字で書くと海馬となるからです。
 イルカだと海豚なので……。
 さゆ
 次のお題!
 今度は最後の1文を「今日もいい天気だ」にして話書いて!
 文末とか変えてもいいよ!
