コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 山戸さんは一卵性!?
- 日時: 2015/10/12 22:30
- 名前: のんたれべ (ID: 69bzu.rx)
おはこんばんにちは(^。^)
”のんたれべ”という中途半端作者です。
飽きやすいので正直続けられるか
メチャクチャ不安ですσ^_^;
でも何とか頑張っていこうと思うので、
優しく見守って下さいm(__)m
#コメント自由にどうぞ!
#オリキャラ募集は恐らくありません(´・_・`)
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- Re: 山戸さんは一卵性!? ( No.1 )
- 日時: 2015/10/12 23:28
- 名前: のんたれべ (ID: 69bzu.rx)
第一話【もう一人の未来】
あーあ。明るい子っていいな。
そう思いながら「朝顔の花の書2」の小説のページをめくる。満腹感に溢れ、
柔らかな陽だまりに心を落ち着かせている彼女の後ろではクラスのリーダー格の
女子数人が、楽しそうに笑いあっている。
「あはは奈緒ってばウケる〜」
「何でよ〜!ちょっと気が抜けちゃっただけなんだってば」
年頃の女子特有の甲高い声。明るい子ならではの、ハキハキとした口調。
自分とは別の人間だ。そう言い聞かせて、教室の隅の机で自分の世界をつくる。
それが毎日の学校での日々だった。昼休み。それは私にとって一番最高な時間。
と、彼女は決めていたのである。
小さい頃から大人しくて地味な子だった。学校に通うことにより、その性格が
もっと表わされた。本が好きで、図書室が好きで、図書室の先生も大好きだった。勉強は嫌いだったが、悪い点数ではなかった。比べて運動は嫌いだし、出来ない。用はクラスに一人はいる、根暗でもの静かな読書家だった。いじめられてる訳でもなく、一目置かれている存在でもない、普通の目立たない高校二年生。
それが彼女だ。
一日というのは彼女にとっては長いものだ。読書ばかりの普通な毎日にそろそろ飽きてくる。彼女はこう見えても飽きっぽい性格なのだ。いつの間にか夕暮れ時が迫り、家へと向かう時間になる。今日も疲れたな。とか思いながら、部屋のドアを開けた時だった。
「ありりぃ〜?ここかなあ?もう一つの世界って」
ベッドの上でキョロキョロしているもう一人の自分。彼女はとうとうドッペルゲンガーを見てしまった。自分の顔と身体と声がそこにあった。いや、いた。
「ぎゃああああ!でたー!」
「ちょ、ちょっと待て!落ち着きたまえ」
「来るなああ!ドッペルゲンガー!」
「何だドッペルゲンガーとは?」
ーーー色々あって一時間。
「あなた、名前は?」
「うんと、山戸 未来っていうの!」ドッペルゲンガーは言った。
彼女は一瞬耳がおかしいのかと思って、自分の耳に指を突っ込んだ。しかし、何も変化はない。今度は未来と名乗る人物が聞いた。
「あなたは?」
彼女は一瞬どう答えようか迷った。自分の人生でこんな事は初めてだった。
「あの、私も…山戸 未来なんですけど」
二人の山戸 未来の間に沈黙が流れた。
「ええええええ!!?」
- Re: 山戸さんは一卵性!? ( No.2 )
- 日時: 2015/10/13 11:07
- 名前: のんたれべ (ID: 69bzu.rx)
第二話【未来と未来】#1
自分と全く同じ姿、形をした別世界の人。翌日の朝まで、夢を見ているかのように思えてくる。だって、違う世界から突然もう一人の自分がやって来て、つぎの日から一緒に生活するって…。どう考えても非現実的すぎる。
私は3歳の頃、両親が離婚し、母親と二人暮らしで生きてきた。でも小学2年生の時、母親が他界。過労死だった。何をやっても失敗ばかりする私を気遣って、母は他の人の倍働いていた。それから私は、養子として遠い親戚の家に預けられ、今まで目立たず生活してきた。「寂しい」とか「つらい」とか、昔を思い出して泣く事はあったけど、今の両親に涙は見せたくなかった。
「山戸 未来です!未来の双子の妹です!よろしくお願いします!」
教室が色めき立つ。男子の目を集める美顔。明るい子ならではのハキハキ口調。もう一人の未来の周りには、あっという間に人が集まった。
「好きなものは?」
「誕生日は?」
「彼氏は?」
質問攻めにあう、あっちの未来。どんな質問にも笑顔で対応している。やっぱり、こっちの未来とは別の人間だ。そう認めて、本のページを静かにめくる。今日も平穏な一日になる……
はずだった。
「未来さんと、未来ちゃんて、全然違うよね〜」
「え…」
「未来さん、一緒に遊ばないの?」
「え…」
「いつも本ばっか読んでてさ。退屈じゃない?」
「いや…私は」
お願いだから私に近づかないでええ!!
なんてこった。あっちの未来のせいで、こっちの未来にも火の粉が。今まで目立たず、教室の隅で自分だけの世界を作り上げていたのに。私はあっちの未来とは違う人間だから。あんなキラキラしてないから!大人しく本を読ませて下さい…。そう願った時だった。
「あ!お姉ちゃんも一緒にトランプしようよ」と、あっちの未来。
ちょっと待ったあ!私は何も言ってねえよ!今の空気感みればわかるでしょうが。絶対にタブーな発言なんだけど。実は私もみんなと一緒に遊びたかった、みたいな感じになっちゃうでしょーが!
とは心でツッこんでいても、根暗な私は
「なっ、ちょ…まっ…」
としか言えず、最高級に恥ずかしくなってしまった。
「あ…いいよ、無理に遊ばなくても」
「どうぞ、続き読んでて」
私の周りに気まずい空気が漂った。一番楽しみにしていた昼休みの時間だった。こっちの未来とあっちの未来が別人間だとクラスに理解してもらうのに、2日程かかるだろう。
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