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OOOOだんご
日時: 2015/11/07 21:39
名前: 星新一 (ID: Z5cmkimI)

五作と五平は、歳をとった五郎じいさんのはなしをきいていた。

「お前らなあ、今の若いもんは恵まれてるんやでえ」

「そうかな?じいちゃん」

「そうや。 今の時代は、よおなったんやでえ。昔は、ほんまにひどか
った。わしらのなかまは飢えて次々死んでいったもんや。生まれたての赤ん坊はもっと死んだ。なんせ体が弱いからなあ。」

「そうなんだ」

「命の価値は軽いもんやった。それこそポンポン死んでもおた。殺されて、強い敵にやられたら一発や。もたもたしてたらあかん。わしみたいに、素早くさっと逃げたもんだけが生き残れたんや。 今はそんなことないやろう。 昔はなア、そこらじゅうに死体が転がっとったんやでえ」

「えー?ほんと?怖いね、恐ろしいね」

「そうや、昼間は出歩いたらあかん。敵がおらんのを確認することが大事や。ナンボお腹がへっとったかて、あせったらあかん。じっと機会を待つんや。」

「待つの?」

「そうやで。なんでも用心がかんじんや」


長い、老人の話が終わった。

「じいちゃん、オレお腹すいてきた。」

「じいちゃん、いいにおいがする物をみつけたよ」

「じいちゃん、肉が腐ったようないいにおいだ」

「じいちゃん、いってもいいでしょう?」

老人は、周りを確認してから言った。

「大丈夫だ、行っておいで、子どもたち。」

五作と五平はすばやくにおいのもとまで駆けつけ、団子を見つけて帰ってきた。

「じいちゃんもいっしょにたべよう。これ、すっごくいいにおい!!」
・………
・……
・・・・・…

次の日の朝、台所に3匹のゴキブリの死骸が転がっているのを見つけて、主婦は、「きゃーーーー!!」と悲鳴を上げることもなく、「きったないわねえ」といいながら、素早くそれをゴミ箱に捨てた。

ゴキブリの老馬の智よりも、人間の方がまだまだ強いのだ

タイトルのOOには、ホウ酸、が入ります。

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