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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【新章スタート☆】 ( No.162 )
日時: 2015/03/27 21:03
名前: 雪兎 (ID: /4zHEnTD)

第五十九話・前編 <何でもアリな体育祭編>

「あ、次は2番手か…」

どうやら、リリアンとプランス君が出るらしかった。うーむ、なんか妨害とかされなければ良いけど…。

思案して難しそうな顔をしていると、真剣な顔つきでエリオット君が喋りかけてきた。

「これは、あくまで僕の考えなんだけどさ。体育祭において有利な魔法は、風魔法だと思うんだよね。」

確かに。例えば追い風を吹かせたり、砂埃を巻き上げて視界を奪ったり、使い道はあるよね。…審判がどう判断するかは分からないけど。

「よーし、いっしょに観察しようよ!戦略とか弱点とか。…私は、魔法は使えないけど。頑張ろう!」

そう言ってエリオット君の手を取ると、なぜかひどく顔を赤らめて、「う、うん…」と頷いた。

               ☆

「少しいいかな、リリアン嬢。」

「なんだね?キザキザの金髪君。」

リリアンとプランスは、お互いの顔を見ることなく一言ずつ会話した。

「…僕はプランスだけども。さっきから、なにかコソコソやってるやつらがいるね。…気にならないかい?」

リリアンはふふっと笑って答えた。「やー、どうかなー。…あたし、このイベントじゃちょーっと、分が悪いんだよねー」

そして、ようやくお互いに顔を見合わせ。

「いざって時は、守ってくれるかい騎士<ナイト>くん?」

「喜んで、姫<プリンセス>。」

そう言って手を差し伸べたが、リリアンに軽くスルーされ、しょんぼりと肩を落とすプランスだった。

             ☆

パァン!

ピストルが鳴った。第二走目だ。

「いっけー!リリアン頑張れーー!」

ここぞとばかりに声を張り上げるフィリアだったが、敵チームだったことを思い出し慌てて口を押さえる。

あれ?そういえば…リリアンはどうやってあんぱんを取るつもりなんだろう。

そう思い当たったのは、ちょうど競技中にもかかわらず、リリアンが立ち止まったときだった。

え?何やって……。

「あーー♪」

歌?

いや、歌じゃない。とっても高い「音」だ。何事かと、会場中がざわつき始めたそのとき。

あんぱんが、ぷるぷると震え始めたのだ。

              次回、第五十九話・後編。お楽しみに☆