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Re: 世界も涙も帰宅部も<参照数2000突破感謝!!!> ( No.164 )
日時: 2014/11/12 15:38
名前: 栗おこわ (ID: FLkf3417)

第92話 練習

「お、おれ??」
「うん。じゃんけんに勝ったんでしょ?だったら海藤くんですよ」
「おめでとー!」と音縁さんと女の子達が拍手をした。
男子は睨んでいた。

「さあて、他の役もいくよー!!」

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「んーっしゃあ!!全部ぎりぎり決まったねえ」
のびをしながら一人、達成感を味わう音縁さん。なんだかこっちもすっきりする。

結果、俺は裏方。
美濃さんはシンデレラを導く妖精。
音縁さんは舞踏会の主催者。
新川さんは王子を邪魔する隣の国の悪王子。
西野さんはいじわるなお母さん。

…まあ、俺が一番地味、ってことだ。いつもと同じだなハハハハハハハ(笑)


音縁さんは伸びをし、ふうと一息ついたあと、大きな声で
「さあ、今日から練習ですよー!!もうシナリオはできてるんだから。裏方の人たちは、照明の使い方とか今日で分かっといて!!」
と、皆の尻をひっぱたいた。

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放課後

「今日は体育館使えないから教室で!まず今日は役になりきってみて、友達と見合ってください!美濃ちゃーーーん!!見てあげるよぉ!」
「変わり身早いよ亜美ちゃん!」
「いーからいーから♪さあ、これがシナリオです!」
皆の手にポンポンとシナリオを置いていく。
「はい、東野くん」
「どうも…」
シナリオを見てみると、ワープロで打たれたあらすじがあった。
(…結構変えたな。隣の国の悪王子とかよく考えたよな)
「あー、なるべくその役やる人の名前書いておいてくれるかな。ごめんね、早く作っちゃって」
パチ、と手を合わせて詫びる。
「いいよお〜」


…さて、裏方の俺らは一体何を…。

すると
「ね、東野さんも裏方だよねー?」
「わ!…えっと、はい」
いきなり肩を叩かれたので塩対応。これが悪い癖だなあ。

「私、橘奈々(たちばな なな)…って、知ってるよねえ?」
「あ、ああ。2班の」
「良かったぁ。私、影薄いし友達いないから」
ニコニコしながら、ゆったりと話す橘さん。
「そんなことないだろ?」
「ん〜?あるよお?このクラスにはあんまり…」
一瞬の沈黙が訪れる。
「って、こんな話してる場合じゃないんだった〜。どうすればいいんだろーねえ」
「あはははは」と誤魔化し笑いをする橘さん。
「見学でいいんじゃないでしょうかね?」
俺も、話題を逸らす。
「そうだねぇ〜。じゃあ、そうしよ〜」
バイバイと手を振る。慌てて手を振ると、橘さんは「あ」と言って手を振るのをやめた。

「一緒に見学してくれませんか〜?友達もいないので〜…」

            つづく