コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界も涙も帰宅部も<演劇直前> ( No.171 )
- 日時: 2014/11/13 19:37
- 名前: 栗おこわ (ID: FLkf3417)
第98話 衣装
走るフォーム?考えたことないな。
ペース?それもめったにない。
だから今めっちゃ息切れしてるわけでして…
「っはあはっ…ああああ…」
たぶん、今は8時過ぎ…だと思う。そう思いたい。
「あら…悠馬くん?」
「え?お、おはよございます?」
信号待ちをしていると、おばさんが話しかけてきた。だ、誰だっけ…
「分かるかしら?悠馬くんが小学生のときに…」
「ああ!!」
ぱしっと太ももを叩く。
「子ども会の、高橋さん!」
「思い出したのね」と嬉しそうに高橋さんは微笑む。
「バザーのボランティアとかよ〜くしてくれたから覚えてるわよ!大きくなってまあ…中学何年生?」
「3年です。」
「まあまあ。…これから、部活なのかしら?土曜日よね」
「いえ、文化祭で…あっ」
「どうかした?」
今…何時だろう…
「す、すみません。今、何時ですか?」
高橋さんは「え?」と言ってから、腕時計を見た。
「今は…8時5分」
「ああああああやばい!!!ごめんなさい遅刻しそうなのでまた!」
一礼して、信号を見てわた…
「赤よ、悠馬くん!」
「うわああああああああ!!!!」
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学校、3−3教室。
「はあああ?お付きがいないいいいい!!?」
「音縁、役で言うな。分かりにくい」
集合時間の8時10分を過ぎ、11分。音縁が教壇でまたまた叫んでいた。
「ええと、東野くん…。バックれるような人じゃないよねぇ…」
クラスメイトの声に応え、もう一度言い直す。
「何かあったんじゃない?」
「ああああもう!それにしたってこんな日に限って…!!」
頭をわしわしかき回し、大きなため息をついた。
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8時13分
「遅れましたああああああ!!!!」
「東野くん!!」「東野!」「悠馬!」
目立つことなど考えずに、後ろのドアから大声でそういいながら入室!!間に合ってない!!!
「ごめんなさい皆さ…」
言い終わらないうちに、ふわりとしたシャンプーの匂いと女の子が胸の中に…………!??
「会いたかった」
「ねっ音縁さん…!?」
騒然となる教室。パニクる俺。
「…会いたくて会いたくてたまらなかった」
「…え…」
こ、こんなところで…!大胆な!!
「ほーんとに会いたくてたまらなかったわ」
「…ん?」
何だか声のトーンが下がって…いるような…
「あーいたかったのーーよーーー!!おっそいんだもーーんねーーー?」
にこにこにこにこ。その顔の人に背中にまわっている手でしめつけられてるんですけど…。メキメキ
「あ、あのー…」
「んー?」
メキメキメキメキ。
「ぐ、くるしいんですけど…」
「なんでだろうね」
メキメキメキメキメキ。
「…遅刻、誤ろうか♪」
「はい。もちろんです」
「全身全霊ごめんなさいーーーーーっっ!!!!」
「許す!」
「まあとにかく東野くんは座って。衣装、机の上に置いてあるから。まだ、着替えないでね」
「う、うん…ごめんなさい…」
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「うおーー!かっけえ!!」
机の上に置いてあった衣装は、青と白のかっこいい使用で、まさに「お付き」のものだった。
「リアルだなあ…」
しげしげと眺めていると、斜め後ろの新川くんがはしゃいでいる声が聞こえてきた。
振り向くと、王子の衣装を少し仕様を変えて、色を黒くしたかなりかっこいい服にはしゃいでいたようだ。
…そのとき目に入ったのだが。後ろの席のアリーメさんの衣装は…
超、きれいだった。
薄い水色の上に白い生地。手につける長い手袋みたいなの(←知らない)。
「…?どうかしまシタ?」
アリーメさんが視線に気づいたようで、首を傾げて尋ねてくる。
「!…いえ、衣装きれいだなあと…すみません」
「oh-!ありがとうございマース♪」
にこにこと嬉しそうに言う。さっきの「にこにこ」とは違うほうだ
つづく