コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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音色に君をのせて(完結。番外編更新中)
日時: 2017/04/08 08:54
名前: Ria (ID: L2AVnGiq)

眠れ眠れ


緑の息吹たちよ 健やかに


小さき華


芽生え 風になびく 僕の唄









初めてその歌声を聞いたのは、裏庭で。

声が高く、伸びのある綺麗な透明感のある声。

でも、どこか声に儚さを感じる。

触ったらすぐに消えてしまいそう—。

私はその歌声を、目を閉じて聞いていた。






——————————






初めまして、Ria(リア)と言うものです(^ ^)
更新は不安定です。
少なくとも1週間に1度の更新を目指して頑張りますが、更新できない時もあると思います(・_・、)
その時は気長に待っていただけると嬉しいです。
コメントも大歓迎です。
よろしくお願いします。


☆8月10日参照100!☆
☆8月18日参照200!☆
☆9月9日参照300!☆
☆9月21日参照400!☆
☆10月8日参照500!☆
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☆4月5日参照1400!☆


目次

>>1-74 本編

>>75 あとがき

>>80 キャラ紹介

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Re: 音色に君をのせて ( No.26 )
日時: 2016/08/14 17:13
名前: Ria (ID: 31lZGh9F)

逆方向に走ってしまったんだ。

私は合わせる顔がなくて、俯いた。

噂が、廊下に響き渡る。

当然、鈴音の耳にも届いた。

「そんなわけないだろ」

その声は、とても力強くて。

周りの人は一瞬驚いた。

「そ…そうだよね!?」

「冗談だよ、冗談!」

私は、嬉しかったのかもしれない。

目が、心臓が、体が。

一気に熱くなるのがわかった。

みんなが散らばっていく。

私は、ゆっくりと肩に置かれた手に手を重ねた。

「…ありがとう。もう、大丈夫だから…」

その言葉を聞くと、鈴音は安心したように微笑む。

手をそっと下げて、耳元で彼は言った。

「今日…ピアノ聞きに行くね」

Re: 音色に君をのせて ( No.27 )
日時: 2016/08/14 16:46
名前: 織原ひな (ID: Qz56zXDk)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

タイトルに惹かれて来ました
素敵な名前のタイトルですね……

中身も緻密で素敵です!
一文一文が改行されててとても読みやすいです
これからも更新頑張ってください!

いつか物騒なタイトルですが「溺死桜」って作品いつか見に来てください!

織原ひな

Re: 音色に君をのせて ( No.28 )
日時: 2016/08/14 20:57
名前: Ria (ID: aW5Ed34M)

織原 ひな 様

ありがとうございます(´∀`*)
作品も読ませていただきました!
お互い更新頑張りましょう!
コメント感謝です(´∀`*)


——————————

今日は、何を弾こう…。

私は、久しぶりにウキウキしていた。

噂は、いつの間にか消えていた。

それだけが嬉しかったんじゃない。

鈴音が、来てくれる。

指が早くピアノを触りたくてムズムズする。

ドアが開く音がした。

「今日はどんな曲を奏でるの?」

「…リクエストとかは?」

会話も、大分しやすくなった。

私は基本、話す方じゃない。

でも。

鈴音には、出会った時から。

なんだか大丈夫…。

安心感が持てたのだ。

「そうだなぁ…あ、鈴!」

「鈴?」

「あの音安らぐじゃん?それに」

それに…?

「俺と美鈴の名前、鈴ついてるだろ?」

美鈴。

鈴音。

まるでしりとりみたい。

私は少し笑った。

それから。

「…鈴音のおかげでね…大切なことに気がつけたの」

「うん」

「だから…ありがとう」

「…うん」

鈴音は少し照れ臭そうに笑った。

Re: 音色に君をのせて ( No.29 )
日時: 2016/08/14 22:07
名前: 立山桜 (ID: ???)  

青春だなぁ…

Re: 音色に君をのせて ( No.30 )
日時: 2016/08/15 16:41
名前: Ria (ID: lMEh9zaw)

立山 桜 様

いいですね青春…(´∀`*)
眩しい…!←
コメント感謝です(´∀`*)


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ポロン。

ポロン。

3つの音が、鈴を表す音。

演奏に加え、その音は更に綺麗になる。

心地が良かった。

そして、なによりも。

人に聞かせるピアノ。

自己満足かもしれない。

けれど、私には充分にそれを感じられた。

「このピアノ…凄く…好き」

鈴音は目を閉じてリラックスして聞いている。

そんな素直に気持ちを素で言える彼は羨ましい。

「(私は…歌でしか伝えられなかった)」

—寂しいって、伝えていたら。

こんなことにはならなかったのだろうか…。

「あ、見て」

鈴音が指指した方を見る。

校庭。

沢山の人たちが音楽室に目をやっていた。

「美鈴の演奏、素敵だったからだよ」

私はゆっくりと椅子から立ち上がった。

「またきかせてよ!」

「素敵な曲だね!」

私の演奏を、聞いてくれる人がいる。

—寂しいって、伝えていたら。

違う、きっと私は正しい道を選んだのかも。

そのおかげで、私はピアノと真剣に向き合えたのだから。

拍手の音は、まるで。

大小様々の音が、ピアノに似ている。


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