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Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.110 )
日時: 2014/11/27 23:00
名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)

第二十八話 <対抗戦編>

そこに立っていたのは、フィリアであって、フィリアではなかった。

後から屋上に駆けつけたリリアンたちも、その光景を呆然と見つめていた。

肩までの金髪は、膝まである絹のような銀髪に変わり、目は鋭く赤に光っている。目を合わせたら殺されるのではないかと、恐怖を覚えるくらいだ。
そして…、

「ふ、フィリア先輩が巨乳に!?」

「えっ、そこ?」

驚きの声をあげたハクに、エリオットがすばやく突っ込む。

そう、体の各部分が成長していた。身長や…まあいろんな所だ。

フィリアが口を開いた。

「私は瀞、瀞竜だ。…それで…私の眠りを妨げるのはお前達か?…ならば、ここで殺す。決して逃がさぬぞ」

フィリア…ではなく瀞竜が言い、白く長い指でメロークたちを指差すと、腰を抜かしていたメロークが「ひっ」と声をあげる。

すかさずライムが駆け寄り、肩をゆすった。「メロークさん、もうだめだ。早く逃げましょう。」
フレアも焦った口調で同意する。「そうよ、こいつなんか変だわ。」
ユズカも、うんうんと首を縦に振った。

だが、いきなり。

「う、うわああああッ!!」

メロークが、槍を構えて突進したのだ。

「メロークさん!」

ジークが呟く。「恐怖でおかしくなっちまったのか……。」

瀞竜は突進してくるメロークを見てわずかに首をかしげ、それから剣を構えようとしたが、折れていることに気がつく。
そして、メロークに向かって手を突き出した。

「ぐあっ!」

瀞竜の周りにうっすらと障壁が生じ、メロークを跳ね返したのだ。

「愚かな。この私に人間が勝てると思うのか」

そう言って、口の端に微笑を浮かべる。完全にフィリアとは別人と分かる笑い方だった。

それでもなおメロークは、立ち上がって襲い掛かろうとした。

だが、その暇も無くいきなり前のめりに倒れこんだ。どうやらライムが気絶させたらしい。

「……ここでメロークさんを失うわけにはいかない。逃がしてくれそうもないが、俺達で時間を稼ぐぞ。フレア、ユズカッ!!」

「はーいっ♪」

「やっと出番ですのねっ!」

                 次回、第二十九話。お楽しみに☆