コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【参照1000突破♪】 ( No.156 )
- 日時: 2015/03/10 18:37
- 名前: 雪兎 (ID: /4zHEnTD)
第五十五話 <何でもアリな体育祭編>
「…え?体育祭、ですか?」
私は、目を丸くしながら聞き返した。現在ホームルーム中である。
ソフィア先生は、ニッコリと微笑みながら答えた。
「そうよ。生徒の親睦を深めるために、毎年行われているの。…ええと確か、来週の水曜日、だったかしら?」
クラスの誰かが、手を挙げて質問をする。「先生、種目は何なんですか?」
それに対して先生は、苦笑して答えた。
「それなんだけどね。決まってはいるのだけれど、それは当日発表される予定なので、もう少しだけ待っていてくださいね。」
えーー、とブーイングが起きかけるが、先生の鋭い眼光によって静まった。…恐るべし、ソフィア先生。
と、突然ジークが手を挙げた。…なんともやる気なさそうに、足を投げ出して座っている。
「せんせーい。チームはどうやって決めるんすかー。」
確かに、私はそれも思ってた。また前みたいにランダムだったりして。…まあ、それはないか。
クラス全員が、先生に注目する。
___先生は、とてもいい笑顔で答えた。
「くじ引きです♪」
☆
「またかよ!!」
ジークが、机をバンッと叩く。今は休み時間である。
「まあまあ、落ち着きなって。何そんなに興奮してるのよ?」
しかしジークはそれには答えず、「せっかく前は…根回ししたのに…今回も…」などとブツブツ言っている。怖い。
「しっかしー、適当に決めるの好きだねー、この学校もぉ。」
リリアンが、腰に手を当てながら言う。まあ、ここは個人の能力を高めるのが第一目標の学校だから、あんま「クラスで」とか「学年で」とかはしないのかもね。
「うーん。それにしても、種目は何なんだろうね?数個あるって先生が言ってたけど。」
「やっぱ王道のリレーとか?綱引きも良いかもなあ。」
隣でリュネが、「パン食い競争……」とつぶやいた。そういえばこの子、小さい体して良く食べるのよね。こんどお弁当でも作ってあげようかな?
…なんて、たわいも無い会話で一日が過ぎて行くのだった。
この体育祭が、とんでもないハチャメチャイベントだということも知らずに。
☆
一時間目、国語の授業。あまりに退屈なので、ジークは窓の外を眺めていた。
ふと、さっきの休み時間での会話を思い出す。何か心に引っかかるものがあり、何気なく真剣にノートを取るフィリアに目を向ける。
そして頬杖をついたまま、ぽつりとつぶやいた。
「…チーム分けも、ただのランダムじゃねーってことか。…やりかねねぇな、あのクソ理事長なら…。」
次回、第五十六話。お楽しみに☆