コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺と少女の1日ミッション ( No.1 )
- 日時: 2016/03/31 13:26
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
「突然出すが、明日(あす)、あなたは死にます。これは紛れもない現実です。ですから、あなたの人生に後悔がないようこちらで用意したたったひとつのミッションを、あなた様にクリアしてもらいたいと思います。なに、簡単なものですから、それをクリアいたしましたら残り少ない寿命を楽しんでください」
朝起きたら突然俺はなぜか、俺のベットの隣に座っていた名前も知らない少女にそう言われた。
「は?」
よくわからない上に寝起きの俺は、とても間抜けな声を出してしまう。
「なんという間抜けな声を出しているのですか。あ、それとももう1回言いましょうか? 言えばいいのですね? 突然出すが、明日、あなたは死にます。これは紛れもない現実です。ですから、あなたの人生に後悔がないようこちらで用意したたったひとつのミッションをあなた様にクリアしてもらいたいと思います。なに、簡単なものですから、それをクリアいたしましたら残り少ない寿命を楽しんでください。はい、言いました。これで満足ですね? おkですね?」
「いや、満足じゃないし、おkでもないんだけど!!」
少女のあまり抑揚のない言葉と訳のわからない宣言にたいして、俺は混乱と怒りを覚えながら、少女にツッコミをいれた。
「え? 説明が足りませんでした? ちっ・・・・・・物覚えの悪い小僧だな。ではもういっ」
「いや、そういうことじゃない!! そうじゃない!! あとなんか暴言みたいの聞こえた!!」
「え? 違うのですか? てっきり物覚えが悪くてなん10回も説明聞かないと物事が覚えられないクソ野郎だと思いましたよ」
「あ・・・・・・・さらに暴言に拍車がかかりやがった。そういうんじゃないんだよ。なんで俺が明日死ななくちゃいけないんだよ! そもそもお前はなんなんだ!? なんでお前なんかにミッションなんて課せられなくちゃいけない?それに」
「あーあーあー!!! もううるっさい! 黙れや!! そんなに質問攻めされても一気に全部は答えられないぞ!!?」
俺が混乱して質問攻めしたら少女はそういって俺の言葉を遮った。しかも俺は胸ぐらを掴まれた。それに首筋に血管が浮かんでいる。
どれだけ怒ってるんだ。この少女は結構な短気らしい。
「でも」
その言葉と共に俺の胸ぐらを掴んだ手を離す。そして自分のみなりを整え(俺のことは見向きもしない)、よし、といってから少女は可愛らしい外見からは想像もつかない、大人っぽい声を出し始めた。
「確かに、名前を名乗らなかったのは悪かったな。私の名前は優月(ゆづき)優しい月と書いて優月。よろしく」
「え? 他に言うことは?」
「ない、以上だ」
きっぱりと言われた。こんなにきっぱり言われるとむしろ清々しい。
「じゃあ、お前にこれから約24時間、だから1日ですね。その時間でクリアしてもらうミッションを出だします」
「唐突だな」
「だって早くしないとあなた死にますからね」
少女、優月は笑顔だった。
「お前には躊躇や遠慮といった文字はないのか」
「無いです。そんなのとっくに底無し沼と富士山のマグマに捨ててきました」
「うわお、それはすごいや」
もう俺は優月に勝てないということを確信した。強すぎる。
「では、あなたにかせられたミッションを言いますね」
「おう。何でもかかってこいや!!」
俺はア○トニ○猪○みたいな感じの口調と姿勢で構える。
「キモいです。では、言いますね。あなたにかせられたミッション、それは」
「それは・・・・・・?」
俺は固唾を飲む。そして優月から出た言葉はよそうだにしない俺にとって最大のもう一生クリアさせられないであろうモノだった。
「あなたが密かに思いを寄せている少女、麻川 結(あさかわ ゆい)に告ってください。これがあなたにかせられたミッションです」
「は、はああああああああああああああああああああああ!??」
- Re: 俺と少女の1日ミッション ( No.2 )
- 日時: 2016/03/31 13:18
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
「煩いですね。耳が痛いです」
優月は顔をしかめながら耳を塞ぐ。
「あ、そうだ。これ、いうの忘れてました」
演技感満載で優月は笑う。そして満面の笑みで言うのだった。
「あなた以外に私の姿は見れないので、大声で叫んだり、話したりしても構いませんが、不審者扱いになったり、怒られたりするのは自己責任なのでよろしくお願いしますね。バーカ」
「・・・・・・・・・・・・。は?」
嫌な予感がした。ドタドタと誰かが階段をかけ上がる音が聞こえる。そして、唐突に俺の部屋の扉が、ハリセンを持ったある女性によってバンっととてもでかい音付きで開かれた。
「叶佑(きょうすけ)! あんた一体絶対こんな朝になんてでかい声だしてんの!!! うっせーよ!! ご近所迷惑だよ!」
「母ちゃん! いや、それは、なんというか・・・・・・あ、あああああああああああああああ!!!」
そのあと俺は母ちゃんにとても叱られた。
「いやー! ドンマイですねー! バーカ」
学校にいくため、色々支度をしている俺の頭にはタンコブができていた。
「誰のせいだと思っているんだよ」
「お前のせいです。知ってます? タンコブって脳の細胞欠陥が着れて内出血したものらしいですよ。ご愁傷さまです」
相変わらず嫌みをいってくる。こやつは・・・・・・。怒りが沸々と湧き上がってきたが、さっき俺がこの人に勝てることはないと証明されたので、もう何も言わなかった。
「じゃあ、学校いってくるから」
俺は優月に向かって素っ気なく言う。
「はい。では私はあなた様を見えないように監視しているので。行ってらっしゃいませ」
「ついてこないのか。てっきり一緒に来ると思ったんだが」
「何をおっしゃいますか! 私が興味も欠片もないあなた様になんでストーカーじみた感じでついていかなくてはいけないのですか!」
彼女の演技がかった言葉は俺の心に傷を作るのには十分すぎた。胸に何かが刺さった感じがして、とても痛い。
「では、行ってらっしゃいませ」
彼女は手を降る。俺が玄関の扉を開き、閉じると同時に優月が言ったことは俺の耳にしっかりと届いた。
「最後の人生、存分とお楽しみください」
- Re: 俺と少女の1日ミッション ( No.3 )
- 日時: 2016/03/31 13:27
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
「・・・・・・。行ったか。さーて、今回の者の命はどうなるのだろうか。一宮 叶佑(いちみや きょうすけ)、16歳、男、黒の襟足まである髪、目は黒く、端整な顔立ちを持っているが自分は中の下だと思っている自己評価が低いバカ。成績は中の上、高校2年か。まーたなんでこんな若い命が狙われるのかな。バカめ。もっと命は大切にしたらいいのに」
私は1人でそんなことをぶつぶつ言ってからその叶佑の監視を始めた。