コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼女の命は、未だ散らない。 ( No.2 )
日時: 2015/10/16 19:06
名前: 深海 ◆XAZUAOywuY (ID: uFFylp.1)

□Episode 1




■ 落下と出逢い


私は地面に激突した。

しかも顔から。

「うわああああああああ!!!!」

さっきの男子生徒が悲鳴をあげる。

あー、もう、大袈裟だな。

まるで私が死んだみたいじゃないか。

私は地面にうつ伏せだった状態から、むくりと起き上がり、制服についた汚れを払う。

「うるさいよ、鼓膜が破れてしまう。

それとも、君はいつもそんな声なのか、蜂須 瑞貴(ハチス ミズキ) 君?」

さっきから叫んでばかりいるこの男子生徒は、同じクラスの蜂須君だった。

実際に話した事はないけど。

すると蜂須君は、目を丸くして、屋上と私を交互に見る。

「えっ、と……。

迫河、だよね……?

さっき、屋上から落ちて来た……ハズ、ないよね……?」

「ああ。

紛れもなく、私は迫河 未散(サコカワ ミチル)だよ。

さっき屋上から落ちて来たのも、この私さ。

蜂須君、お前の目でしっかり見ていただろう?私が落ちる所。」

私は、蜂須君の目を指差す。

すると、蜂須君も私を指差して、尋ねた。

「じゃ、じゃあ、何で君は無傷なんだ?

屋上から落ちて、制服が汚れただけで済むなんて、この世の出来事とは思えないよ……。」

「あぁ、その事ね。」

私が屋上から落ちても無事な理由は、いたってシンプルな答えだ。

「だって私、不死身だから。」