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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼女の命は、未だ散らない。 ( No.6 )
- 日時: 2015/12/02 17:18
- 名前: 深海 ◆XAZUAOywuY (ID: 0O230GMv)
□Episode 3
■交流
「迫河は、もう少しクラスメイトと話した方が良いんじゃないかな。」
私は黙ってそれを聞き流した、昼休み。
◆◆◆
話は数分前に遡る。
屋上で食事をとっている私の横には、何故か蜂須君がいる。
私は栄養補給ゼリーを片手に、手すりに体重を預けて立っていた。
一方、蜂須君は私の隣に座り、弁当を食べている。
食事のスタイルが男女逆だ、とどこかから言われそうだが、事実なのだから仕方ない。
屋上につき、私が栄養ゼリーの封を開けた直後、蜂須君が弁当片手に「一緒に食べて良いかな?」などと屋上に来た。
勿論私は許可した覚えがないし、許可の有無に関わらず、無視を決め込む気でいたので、まぁどうでもいいかと思っていた。
しかし、蜂須君は話し上手な部類であるらしく、私は僅かながら会話をしてしまった。
ほぼ「はぁ。」「ふぅん。」「へぇ。」しか私は言っていないが。
クラスメイトの事、部活の事、教師の事。
初めて耳にする様な話ばかりだったが、相槌を打っていた。
他人の事を話して、一体何がそんなに楽しいのだろう。
私は素朴な疑問を抱きながら、いつの間にか空っぽになった栄養ゼリーのパックを片手に、出口へと向かおうとする。
すると、蜂須君がいきなり、話の流れを切って、冒頭の言葉を言ったのだ。
「迫河は、もう少しクラスメイトと話した方が良いんじゃないかな』と。
それに私は一瞬立ち止まったが、それを悟られない様に直ぐに屋上から出た。
クラスメイトと話す、ね。
「簡単に出来ないから、こんなに苦労してるんじゃないか」
私以外、誰も居ない屋上と廊下を繋ぐ階段で、私はひっそりと言葉を宙に放った。
そして、この後、私は思いもよらない出来事で、否が応でも、クラスに関わっていく事になるのだが。
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