コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: SANDAI ( No.6 )
- 日時: 2014/09/21 21:31
- 名前: いろはうた (ID: 5obRN13V)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
ち、ちくしょう……
墓書のやつ、いろはうたに色んなものを投げてきやがって……
こんな文章力を見せつけられた後に、いろはうたに書けと!?
しかも、キャラの性格も、一目ぼれもいろはうたに書けと!?
覚えてろよーっっ(絶叫
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
承
*「……鶴はいるか」
「ここに」
低く応じれば、ふすまの向こうで床がきしんで鈍い音を立てた。
「首尾は」
「ぬかりありません」
「明日はさらに激しき戦(いくさ)となる」
「心得ております」
主はそれ以上何も言わず、ただ足音は遠ざかって行った。
目をきつく閉じ、強くこぶしを握る。
噛みしめた唇の間から、こらえきれぬ呻きが漏れた。
もう、限界だ。
何度思ったことだろう。
戦のことを思い起こすだけで、もう嫌だと泣きわめきたくなる。
しかし、逃げるわけにはいかなかった。
鶴は覚えていないが、遠い昔自分は両親に売られたらしい。
悲しくはない。
この戦国の世で貧しい者が自分の子を売り払い、その金を生活費にあてるのは珍しくないからだ。
そして、今も鶴の給金の半分以上は顔も見たことのない両親に送られているらしい。
鶴が逃げたら、両親は飢え死にする。
間接的に両親を殺すことになる。
これ以上手を汚したくなどはなかった。
でも、苦しい。
呼吸もままならなくなるほどに。
ふらふらと立ち上がり、部屋を出て、歩きだす。
行く当てなどはなかったが、無性に外気に包まれたかった。
外は闇に包まれ、空には満月が輝いていた。
夜風に誘われるようにして歩き続けてると、気付けば見知らぬ庭のようなところに来ていた。
無意識のうちにたどり着いていたので、ここがどこかもわからずに戸惑う。
あたりは藤の花が咲き乱れ、幻のように美しい。
まるで夢幻の国にいるようだ。
「誰かいるのか」
だから、声をかけられるまで、人がすぐ近くにいることに気付けなかった。
凛とした声。
低さから、男性だと分かる。
とっさにどこかに隠れようとしたが、
なにせ見知らぬ地なので、すぐには隠れるのにいい場所が見つからない。
頭が真っ白になっているときに、その人が砂利を踏みしめて近づいてきた。
月光に照らされて、その姿が露わになる。