コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【参照1000突破♪】 ( No.150 )
- 日時: 2015/02/11 15:19
- 名前: 雪兎 (ID: jM89U6Tv)
更新大変遅くなり、申し訳ありませんでした!
それでは、本編をどうぞ。↓
第五十話・前編
今日は、土曜日。
あれから少し時間がたったけど、みんなは相変わらず元気に過ごしている。
女神像は取り戻せなかったけど、なんにせよ、全員無事に帰ってこれてよかったなあ。
なんて、たまーに思ったりする。
…それより、今日は予定もないし、何をしようか?
そう考えつつ一人中庭を歩いていると、人だかりが目についた。
「ん?何だろ。」
よく見てみると、集まっている全員が女子だった。そして、その輪の中心にいるのは……
「あ、カイル君」
なるほど!それなら、女子が集まるのも納得だな。たぶん、今日は誰が一日カイル君と過ごすのか、揉めてるんだろう。
人気者は大変だなー、と思いつつ、ぼーっと眺めていると。
困ったような顔のカイル君と、目が合った。
「あっ…」
しまった。
カイル君は、取り巻きの女子達に何か言うと、そのままこっちに向かってきた。
や、やばっ…!じっと見つめてたから、気を悪くしたのかな…?
うつむいていると、カイル君の靴が視界に入った。思わず身を硬くする。
だけど、頭上から降ってきたのは優しげな声だった。「こんにちは、フィリア。いい天気ですね」
「えっ!?…は、はいっ。」
顔を上げると、カイル君がぷっと吹き出すところだった。「何で、敬語なんですか」
あはは、と笑ってごまかす。「あっ。そう、そうだよね」
「まあ、僕に言われてもって感じでしょうけどね。……それにしても、やっぱりフィリアは面白いです」
「え?」
そう言うとまた、カイル君は「ふふっ」と笑った。…恥ずかしいけど、その横顔の美しさに思わず見とれてしまった自分がいる。
「…どんなことでも頑張るし。ちゃんと、僕の目を見て話してくれる。他の子とは違う、あなたは…素敵な女性だと思います」
「え……」
カイル君が、そっと私の頬に触れた。
ドキンッ。
心臓が跳ね上がる。うわっ、近…!
至近距離から綺麗な顔に見つめられると、こうなるのか!
「えっ…あ、あの…っと」
なんだか甘い香りがして、それがさらに心臓をバクバク言わせる。
「あっ、あの……!」
え、何で!?体が動かない。
「それで、どうでしょう。これから、一緒にお茶でも…」
「たーのしそうだなー、お二人さぁん。俺も混ぜてよ?」
!!
「…ジーク?」
やっとそれだけ、声が出た。
手を頭の後ろに回し、木に寄りかかっていたジークは、ゆっくりと
こちらに向き直った。
「ジーク。いたんですか。」
「ああ。『こんにちは、フィリア。いい天気ですね』あたりからな」
って、ずっと居たんかい!
……。
えっと、何だこの状況は?
カイル君とジークは。笑顔だけど目が全然笑ってない。
それに、喋っている間もお互いの顔から一回も目を逸らしてない。
き、気まずい。
「これから僕たち、いっしょに出かけるつもりなのですが。なんの御用でしょう?」
「お前、フィルに触ったな。触ったよな?よし死刑」
…おまけに、全然会話がかみ合ってないし!
ここは、私がこの場をっ。
「え、え〜と、庭に二羽にわとr……」
「それは、違う。…フィリアは今日、ボクと…買い物、行く約、束」
「「え?」」
いきなり、後ろから声が。
って、
「リュネ!?」
振り向くと、いつもの眠そうな顔が、そこにはあった。
次回、第五十話・後編。お楽しみに☆