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Re: センセイ×セイト ( No.11 )
日時: 2017/01/07 05:28
名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: Oh9/3OA.)

第7話

何時間が過ぎただろうか。
暗くなった美術室

私は隣に座る風間先生を見やる。

落ち着いて来たのかさっきよりは
マシになってきた。

「悪いな倉西…。」

ボソッと風間先生が呟く。
「えっ?」っと私は風間先生を見る。

スッと顔を上げ微笑む。
私の胸は何故か少し胸が高鳴る。
風間先生はスッキリしたかのように
顔をタオルでふく。

「もう大丈夫なの?」

顔を覗き込み私は訊ねる。
風間先生は私に顔を向けた。

「まさかお前に見られるとはな」

照れ笑いを浮かべながら
頭を軽く掻き目を背けたまま言う
ガタッと椅子から勢いよく立ち上がり
背伸びをする。

私もゆっくりと椅子から立ち上がる。

「風間先生。」

私は胸に手を当て見上げる。
風間先生は「んっ?」っとした表情で
見下ろしてきた。

「もう私には嘘つかないで下さいね?」

ずいっと顔を寄せ私は言う。
風間先生はまた照れ笑いを浮かべた。


私は鞄を持ちドアに向かう。

「倉西…」

名前を呼ばれ私は振り返って。
さっきとは違う表情に
私は顔を少し赤らめた。

「な、何よ…」

戸惑いながら風間先生を見る。

「お前も俺に何か隠し事してる?」

私は目を丸く見開いた。
風間先生はズボンのポケットに手を入れ
私を見つめていた。
月明かりに照らされた姿は眩しい。

私はスッと顔を下に向け唇を軽く噛む。

「してないですよ?」

何食わぬ顔して私は顔を上げた。
出来るだけバレないように笑いながら。
風間先生はまた軽く頭を掻き

「お前も俺に嘘つくなよ」

ちょっと照れくさそうに言う風間先生が
少し可愛く見えて私はクスッと
笑ってしまった。

「分かりましたよ〜」

笑顔で答え背を向ける。

「サヨナラ風間先生」

私は振り返る事なく小さく手を振り
美術室から出た。
急ぎ足で学校を出る。

少し離れた場所にある小さな公園に
私は1人立っていた。

「嘘つくなか…。」

私はハハッと笑いながら
ソッと顔に手を当てる。

「約束守れないや先生」

目から涙が流れているのが分かる。
肩を震わせ涙を抑える。

「風間先生が好き。」

消えそうな声で私は呟く

「風間先生が好きだなんて伝えらんないよ」

ボロボロと涙が次から次へと流れる
私は1人薄暗い公園で泣いた。
誰にも気づかれないように。

この気持ちが風間先生に気づかれないよう
しっかりと蓋をしようと。
私は必死に自分に唱える。