コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 妹さんの誕生日
- 日時: 2015/08/16 07:50
- 名前: 独楽林檎 (ID: e6h1dNNB)
初めまして。
独楽林檎と申します(これ「こまりんご」って読みます)。
ちなみに、小説カキコに投稿するのは本作品が初めてなので、初々しいところなどあると思います。
もしも読んでいただけるのであれば、誤字、脱字など指摘していただければ幸いです。
それでは、よろしくお願いいたします!
〜来てくださった方〜
てるてる522様
美奈様
はるた様
Garnet様
参照2300、ありがとうございます!
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- Re: 妹さんの誕生日 ( No.13 )
- 日時: 2015/01/29 22:00
- 名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)
平日ですが、更新します
〜放課後〜
「ただいまっ!」
ばたん!どたどたどた!
帰ってすぐに村咲家に行くことになってるから、結構急いでます!
ランドセル置いて。
A6ノート持って。
冷蔵庫の中の……鯖の味噌煮を4切れ、タッパーに詰め込む。
ああ、おいしそう……
じゃなくて。
よしっ、いざ、出陣じゃいっ!
着いた!
家から出て、5秒でインターホンをポチッ!
いや、速いわけでは無いんだよ?
だって、青永家の玄関から村咲家の玄関まで、約25mなんだもん……。
そりゃあ、5秒で着くっしょ!?
……じゃなくて。
自分に突っ込みを入れた直後、
『は〜い』
エミではない声が聞こえた。
「えっと、あの、エミの友達の、青永葵ともうします、妹さんに会いに来ました」
大丈夫?
言葉づかい、間違ってない?
『は〜い、ちょっと待っててね〜』
また、さっきの声。
ガチャッ。
スピーカーの音がして、指の骨をポキポキポキポキっとならす。
で、それから10秒……20秒……30秒…………5分……
ちょっと、遅すぎない!?
5分もかかるかな、普通!?
ああ、絶叫したい。
と、その時!
「おまたせ〜、待った?」
スピーカーの声の主が現れた。
ええ、待ちましたよ、そりゃあねえ!
声には出さず、どす黒い笑みを浮かべて深〜くうなずいた。
「あら、ごめんね。じゃあ、案内するから、付いてきてね」
言われて、その人……エミたちのお母さんかな……に着いていった。
でも、この時、私は知らなかったんだ。
……これから小1時間続く、過酷な命令を……
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.14 )
- 日時: 2015/01/30 19:13
- 名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)
なぜまた、平日に更新を……。
前に来た時のように、エミの家の中身は私の家とそっくり。
広くなったわけでは無い。
どうしてこの人、5分もかかったのかな……。
なんか、怒りも通り越して、呆れも通り越して、自分の気持ちがよく分からなくなって来てる。
それにしても、どうして私、エミに妹さんがいることを知らなかったのかな?
………………………………………………………………………………。
わかんない!
まあいいや!(←)
先の事を、3月3日の事だけを、考えておこう!
「はい、ここだよ」
左上から声がした。
え、ここが妹さんの部屋?
「がんばってね」
「へ?」
「……めげずにね」
は、がんばって?めげずに?
どういう意味?
まあ、いいや。
ドアを開けた。
途端!
バッシ—————————ン!
プリンターが飛んできた。
左から。
鼻先をかすめながら。
右へと。
ひいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……。
な、なぜ、プリンターが……
こんな重いものが……
あんな高速で……
その時。
「ノックぐらいしなさい!」
高くて幼い声が部屋に響く。
左から。
恐る恐る、左側を向くと。
両手に爪楊枝を持った、女の子がいた。
ちょっ、両手に爪楊枝!?
片手に持つことはあったとしても、両手で持つ!?普通!
「え、おやつタイム!?」
うわ、声に出しちゃった!
「違うわよ!」
鼻先と喉元にそれを突き付け、女の子が何度も叫ぶ。
「問題!」
いきなりっ!?
「あたしは、誰でしょうか!」
はあ!?
「1分以内に答えて!」
ええっ!?
もう、分かってるんですけど!
「え、エミのいm」
「なんか、質問はないの!?」
質問を期待してたわけ!?
「じゃ、じゃあ、さっきのプリンター、なんで飛んでいt」
「あんたがノックもせずにドアを開けたから!ほか、質問は!?」
何を聞いてほしいのよ!
思ったら。
ピッ、ピッピッ、ピッ
タイマーを操作する音が聞こえた。
近くにあるタイマーをちらっと見ると、その画面は、59、58、57、56、55……。
1分を計っているのか!
「ほら、質問!あたしが質問してほしいことを答えないと、問題に答えられないよっ!」
「うぅ……あ、じゃあ、妹さんが質問してほしいことって、何!?」
これでどうだ!
「う、ずる賢い……あたしが何年生なのかってことよ!」
よっしゃ、答えた!
「じゃあ、妹さんは、何年生!?」
カンカンカーーーン!
試合終了のゴングが鳴ったような気がした。
「3年生!問題、答えていいぞ!」
よっしゃ!もう分かってるもんね!
「村咲笑の妹さん、村咲楽美さん!」
爪楊枝が喉と鼻から離れた。
「せーかい!」
やったぁ!
「で、何しにきたわけ?」
満面の笑顔で聞かれる。
「妹さんの誕生日を盛り上げるために、来ました!」
答えると……
ありゃ、妹さん、きょとんとしてる。
「は?あたしに妹はいないけど?」
……あ。
「エミの妹さん、つまりラミさんの事なんですけど……」
そのままにして言うと、なぜか、怒られた。
「あたしは、確かに、村咲エミの妹よ。でも、あたしは、ラミなの!」
とか、
「信じられない!エミのヤツ、こんなのをパーティー係に呼んだわけ!?」
とか。
あのですねえ、言わせてもらうとですねえ、私、仮にもあなたの先輩ですよ?
「こんなの」とか、言わないでくださいっ!
そう思ったけど、声には出さない。
代わりに、
「あのう……こんなもの、持ってきましたけど」
持ってきた鯖の味噌煮を差し出した。
すると妹さん……じゃなくて、ラミさん、目を見開いて、
「わあ!?こ、これ、鯖の味噌煮!?」
タッパーを奪うように受け取った。
「もうっ!こんなの持ってきてたんだったら、先に言ってよ!」
ものすごい笑顔。
「あ、そうだ!あんたに指令を与える!それをこなせば許してあげる!」
指令!?
しかも、「許してあげる」って!
「こっちに来なさい!」
言われて、付いて行きながら、こう思った。
さっきのセリフ、「来なさい」って!命令かよ!
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.15 )
- 日時: 2015/02/01 21:30
- 名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)
廊下を歩いている間、妹さん(こう呼んでしまっている)をず〜〜っと観察していた。
頭はパイナップルで……さっきは黒く見えたのに、今は赤くない?
それから、半そで&半ズボンでむき出しになっている腕と脚、めちゃくちゃ細い!
文科系なのか、肌は真っ白で、見た感じは『か弱そう』なのに、中身は……
「ほい、ここ!」
妹さんが指さしたのは、殺風景な広場。
「あたしの誕生日に使うから、1時間以内に床と壁、ピカピカにしなさい!」
本当に偉そう。
容姿で想像した人格を覆すよね、この人!
……なんて愚痴っててもしょうがないから。
電気をつけて、床と壁を見つめる。
これ、妹さんの肌みたいに真っ白で、すごくつるつる。
これなら、掃除がしやすい!
「はい、がんばります!」
おっす!
と、腰の横で拳を作ったころには、もう、誰もいなかった。
……がくっ。
ずっこけそうになったけど、そんなことをしている場合じゃない!
部屋を見回す。
家具が(時計以外)無い。
飾りも無い。
こびりついたような汚れも無い。
あるのは、ただ一つ。
ふかふかと積もったほこりだけっ!
「わ〜あ、これはすご〜い。」
目測だけど、このほこり、2cmぐらいの厚さじゃない?
素晴らしい……悪い方に。
これを片付けるには。
ほうき、ほうき。
ほうきは無い?
……無いっ!
これで、どうやってピカピカにしろとおっしゃるのですか、妹さま!
もしかして、道具も自分で考えろってこと!?
そりゃあ簡単には許してくれないでしょうけどね!
どうすればいいのか教えてください!
どうすればいいのかを!
……はあ。
考えることだけに、一生かかりそう。
……。
あっ!
部屋から出るなとは言われてない!
よしっ、家から取ってこよう!
ついでに、ぞうきんも持ってこよう!
よかった、一生もかからなかったじゃん!
〜取って来て〜
よしっ、掃除再開!
……じゃなくて!
だから、独楽林檎!
飛ばすのやめて!
何事もなかったとしても、面倒でも!
なんて、バカ相手に抗議している暇もないし。
やらなきゃ!
ガシガシ、パタパタ、ゴシゴシ、キュッキュッ。
……スッテンコロリン!
うぅ、痛ててててて。
ほこりで滑ってこけた……
私の日常生活の中では無かった体験デス。
持ってきたのはほうきとぞうきんとちりとりと水入りバケツだけだし……
壁はもう磨き上げたけど、床はまだこれからだし……
残り時間、あと20分だし……!
急がないと、間に合わないよっ!
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.16 )
- 日時: 2015/02/02 21:49
- 名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシッ。
只今、青永葵、家からもう一回持ってきたモップの二刀流に挑戦しています!
これで時間も短縮!
……って!
「あと、5分!?」
や、ヤバい!
急がないと、本当に妹さんに許してもらえなくなる!
許してもらえなかったら……
エミの頼みをのんであげられなくなる!?
うわ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
急げ、青永葵!
この部屋全体を100で表すとしたら、残ってるのはあと25ぐらいだから!
ぅおりゃぁぁぁ!
「は〜い、ちょうど1時間経ちましたヨ〜ン」
妹さんの声が聞こえて、顔を上げる。
今、モップが壁にぶつかったところ。
つまり、ギリギリ間に合ったってこと!
「はい!今、終わりました!」
いつの間にか閉まっていたドアの向こうに聞こえるように叫んで、
ガチャッ。
ドアを開ける。
すると。
「うわあぁ!?」
妹さんがすごい声をあげた。
どうしたのかなぁ?
「ラミさん……?」
声を掛けると、凍っていた妹さんが解けた。
で、大きな声でわめきだす。
「ちょっと!これ、どうやったの!?あたし、無理な数字を設定したつもりだし、道具だって無かったでしょ!?」
……1時間もありゃ、出来るでしょ!
そんな心の叫びも知らずに、まだまだ叫ぶ。
「これじゃあ、許すどころか認めないとならないじゃん!……あ、道具はあんたの家から持ってきたのね、あたし、「部屋から出るな」なんて言ってないもんね!あんた、なかなか頭がさえてるじゃん!」
……え〜っと、今、褒められたよね?
珍しいな、妹さんが人を褒めるなんて!
「よし!これなら、パーティ係はあんたで決まり!今日は、もう、帰っていいよ!」
言われたけど……まだ、私の要件を済ましてません!
抗議すると、
「ああ、じゃあ、何?早くね!」
急かすように言うのはやめてほしい……けど、それを声に出して言うのはおかしいから。
「今のところ、パーティのメニューはこうなっているんですけど、何か足したいものなどは?」
A6ノートを見せながら聞くと、
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜、もう少しデザート類を増やしてほしいね。それ以外は、いいぞ!」
わ、デザート?
そうか、それも必要!
なんてったって、誕生日だもんね!
そう思い、ノートに「デザート」と書いた。
それを見て、
「はい、もう質問はないね。帰っていいぞ!」
妹さんに押されて、私たちは村咲家の玄関へと向かった。
腕で押されている感覚が無くなると、もうそこは玄関だった。
「じゃあ、明日から3月3日まで、家に通うこと!また明日ね!」
そう言い残して、妹さんは、バッターーーン!とドアを閉めた。
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.17 )
- 日時: 2015/02/03 17:58
- 名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)
〜次の日〜
「ぜんざい、羊羹、大福、干し柿、最中、なたねきんとん、雛あられ、桜餅、ぼた餅」
こんなに候補が出たんだよっ!
すごいでしょ!?
インターネットで調べてみたんだよ!
え?
すごくない?
調べたんだから?
しょうが無いでしょ、まだ6年生なんだし!
それに、これは、キーボードを打てることを褒めてほしい!
なんて心の中で抗議していると。
「おいっ、あんた!」
登校中、後ろから声を掛けられた。
家の手前で「あんた」なんて呼ぶ人と言えば。
「はい!なんでしょうか?」
妹さんだ。
ところで、私、どうして3年生相手に敬語なのかというと。
妹さんに、「パーティー係のくせに!」と叱られそうだから。
「今までに決めたことは?」
よしっ。
その質問、待ってました!
「パーティーに出すデザートが、あらかた決まりました!」
見てください!
と、ノートを差し出すと。
「ふ〜ん、いいぞ、デザートはこれでオッケー!次は、飲み物を決めることだね!」
あ、飲み物!
忘れてた!
妹さんって、割と頭がいいよね!
思いながら、ノートに「飲み物」と書いた。
ふふふ。
このノート、にぎわってきたじゃん!
当日まであと5日だけ(……!)とはいえ、結構いいペースじゃない!?
妄想で盛り上がっていると、いつの間にかニヤニヤしていたらしく。
「何、考えてるの……ニヤニヤしてて、気持ち悪い」
なんて言われちゃった!
あ、やべっ。
ニヤニヤしてる場合じゃない!
なんてったって、学校ですることがあるからねっ。
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