コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 来てくれるのは君なんだ。
- 日時: 2015/12/06 17:32
- 名前: rei (ID: .siUiCRq)
☆登場人物☆
綾瀬 茉奈
優しく頑張り屋。涙もろい一面も。克哉のことが好き。翼の親友。
佐倉 翼
明るくてみんなの人気者。スポーツが得意。茉奈の親友。
牧原 克哉
来るもの拒まず、去る者追わずのチャラ男。茉奈を嫌う。
山野 星奈
茉奈の親友。慶太のことが好き。読書家。
菊池 慶太
頭の回転が速い。翼の親友。
瀬野 菜々花
自分が一番かわいいと思っている。翼のことが好き。
♪あらすじ♪
克哉のことが好きな茉奈。それを知った翼は、少しだけ気に食わない様子。
だが、その気持ちとは裏腹に、茉奈は必死にアピールし続ける。
そして、いよいよ告白して—。
これは、あなたにも起こるかもしれないお話です。
11月。
まだ上旬とはいえ、冷たい北風が吹いている。
私は、今日好きな人に告白することにしたんだ。
好きな人の名前は・・・牧原克哉。
かっこよくて優しくて、女子のあこがれの的なんだ。
だから、思いっきりおしゃれして、とっておきの「言葉」も考えたの。
両想いになるために、ね。
午後3時。
待ち合わせ場所から、克哉が見えた。
それだけで、私の胸は高鳴ってしまうんだ。
「・・・茉奈」
「あ、克哉!来てくれてありがとう」
「別にいいよ。今日暇だったし」
「そっか」
「で、話って何?」
少し離れた茂みから、翼が覗いて見てる。
今日は、見守っててもらうことにしたんだ。
それだけで、少し勇気がわくよ。
「あのね、前から克哉のことが好きでした」
「・・・へ」
「付き合って…ください!」
「・・・ごめん、無理」
「あ・・・」
「俺、お前のこと嫌いなんだよ。だから無理だって言ってんの」
嘘・・・
付き合えるなんて思ってないよ。
でも、でも・・・
私のどこがそんなに嫌なの。
教えてよ。。。
「ま、そういうことで。じゃ」
「か、克哉!!」
あーあ、行っちゃった。
「あ、あれ・・・」
不意に涙がこぼれてきた。
両想いになれると思ってたわけじゃないのに。
あきらめはついていたのに。
やっぱり悲しいんだ…。
「ん」
「あちっ」
私の顔に、いきなり温かいものがあたった。
よく見ると、私が寒い時期にいつも買っている『ぽっかぽかれもん』だった。
「お前これ好きだろ。近くの自販機で買ってきた」
やっぱり翼だった。
私の好みを知ってるのも。
私の心を見透かしちゃうのも。
「翼・・・」
「お前のこと一番わかってるの、俺なんだからな」
「ありがとう・・・ごめんね・・・」
私は、翼が買ってきてくれた『ぽっかぽかれもん』を顔に当てながら、ずっと泣いていた。
翼は、そっと隣にいてくれた。
ずっと、ずっと隣にいてくれた。
次の日。
私は、美容室に電話をした。
ほら、昔から失恋したら髪を切るっていうでしょ?
小さいころから髪を切ってくれている、優しい男の美容師さんが出てくれた。
『もしもし、茉奈ちゃんかな??予約の件だけど、、いつなら都合が合うかな』
「えっとー・・・今週の土曜日とか」
『土曜日の11時半とかどう?』
「んじゃあそれで。今回失恋したから切る」
『ははは、茉奈ちゃんも乙女だね』
電話口からは、明るい笑い声が聞こえる。
「そりゃあ女子ですから」
私は、むすっと不機嫌声になってみせた。
『じゃあ、土曜日待ってます』
「はーい」
電話を切ると、私は机に向かった。
書かないといけないことがあるって思ったから。
書き終えると、私は猛ダッシュで近所の雑貨屋に向かった。
なんてったってこのお店、閉店時間が早いんだもん。
悩んだ末に、タオルハンカチを買って帰った。
きれいにラッピングして、先ほど書き終えた紙を貼り付ける。
『翼へ。
こないだはありがとう。
おかげで元気MAX!!!
私のこと、ちゃんと見ててくれててありがとう(*^_^*)』
次の日。
「翼!!これ、こないだのお礼」
「は?別にいらないよ!!なんか悪いし」
「ううん!あげるから」
「じゃあ、もらっとく。ありがとな」
そう言って笑顔を見せる翼。
「う、うん!!」
なんだろ、ドキドキする。
翼の顔見てるだけなのに。
ていうか、翼のことを目で追っちゃう。
*晴れた11月の日、翼に恋をしました*
翼のことが好きだって気づいた次の日。
「お、茉奈おはよ」
「おおおおおお、おはよっ!?」
やばい、意識しちゃってる。。。
「ははっ、茉奈がおもろい」
「笑うなっ!!」
そう言うと、全速力で翼を追いかけた。
足なら、私のが速いもんね!
すぐに追いつき、お仕置きのくすぐりタイム。
「うわああああああ、勘弁してよ〜」
「やめないもんね〜」
2人で大爆笑しながら、じゃれあいをしている。
「本当にお前ら何やってんだよー」
翼の親友の慶太が、私たちの前に立って笑っている。
「慶太!!今ねー、翼にお仕置き中」
「お、俺もやりたい」
「慶太までやめろおおお」
相変わらず仲いいね、楽しそうじゃんといった声が聞こえてくる。
「俺が頼んでるわけじゃないんだっつのー」
一週間後。
担任から、発表があった。
「来月で、倉田康平さんが転校します」
教室がざわつく。
康平といえば、クラスの問題児だ。
学年どころか、学校全体にその名は知れ渡っている。
隣の席の拓斗も、驚いた顔をしている。
先生は、みんなの驚き様を見て、見かねた顔をしていた。
「…明日席替えをします。なので落ち着いて」
冷たい声で言い放つと「これでHR終わります」と告げた。
逆にクラスは大騒ぎだ。
女子は「やっぱり克哉くんと隣がいい」「うちもー」と、盛り上がっている。
(そういえば私の好きな人・・・翼なんだ。私だって翼の隣がいいけど・・・きっとなれないよね)
そう思いながら、席替えの日を迎えた。
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