コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   雨漏り傘。【短編集】 ( No.8 )
日時: 2016/05/02 17:49
名前: 洸。  ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)



  「らぶorらいく 1/3」.あの、さっきコーヒー出しましたよ.



カタカタと画面に打ち込む指が、次第に震えていった。
徐々に手へと震えが伝わり、ついに両腕がぶるぶると小刻みに震える。
言葉に出来ない何かが込みあがり、叫びたくなった。……いや、叫んだ。


「先輩いいいいいいい! 出来ましたああああ!」
「うおおっ、なんだよ如月(Kisaragi)うるせえよお前……。
ただでさえ声デカいのに耳元で叫ぶんじゃねえよ……」


横で椅子に身体を持たれ掛けいびきかいて寝ていた先輩が、飛び起きて起きた。
疲れてるんだぞ、と言ってるけど先輩からは疲れの色は一切見えない。
ちゅんちゅん、と外でないている鳥の声から……朝のようだ。
周りを見渡すと、人はもう椅子に座っていて朝の朝会はもう終わっている様子。


「す、すいません。連日、ここで寝泊まりして横でロクに仕事をしない先輩に分からないところを聞こうとしても怒鳴り返されて結局1人試行錯誤して汗水垂らして痛い指を我慢して作り上げた企画が、やっと出来たもので喜びのあまり叫んでしまいました」

「あ、そうくる? そうきます? なんだよ、結局出来たから良いじゃねえかよ」
「私は結果だけを重視する男は嫌いです先輩、モテませんね?」
「余計なお世話じゃああ! 出来たんなら出せ! 無駄口禁止だアホ!」


あ、パワハラですよその発言! そういう前に急かされてしまう。
この企画は、私史上最も大きな企画である。
それを指導係の先輩の手なしに、作り上げたのは私 如月である。
私はしぶしぶ腰を上げると、部長の元に行った。



 × ×

短いですが、このまま書くと長いので3話にします。
セリフの割合が多くて申し訳ないです……主人公はOLの如月。
1年目の新人な如月ですが、頭がよくしっかり者。

先輩は少々口は荒いですが、実はとても良い人です(苦笑)