コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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我ら変人部っ!【参照100感謝!】
日時: 2017/01/11 19:43
名前: 彼方 (ID: pR7JxfSl)

「いいじゃん?君のアブノーマルな趣味教えてよーっ!拒否権なんて君にあると思うの?」
「……今の良かった。もう一回踏んでくれ、頼む」
「フハハハハッ!バレてしまっては仕方がない。本当のボクは、闇の女帝__シャッテンケーニギン_なのだよッ!!」
「おいヘタレ、マゾを踏んでくれないか。そう、そうだっ、そういうプレイみたいでイイッ!萌えるッ!これだからBLはやめられないな!!」
「…………何なんですかこの部活もう嫌だあああああっ!!」


*キャラ紹介(一言で)*
○主人公 浪里 平太(なみざと へいた)/高1男子
・ロリコン
○佐渡 英梨(さわたり えいり)/高2女子
・ドS
○前園 真尋(まえぞの まひろ)/高2男子
・ドM
○萌澤 冬姫(もえざわ ふゆき)/高1女子
・中二病
○藤岡 哀衣(ふじおか あい)/高3女子
・腐女子

あとはモブです←


*注意事項*
・下ネタ入ってきます。
・変態と変人しかいない上に、主人公含め皆自重ないので酷い話になっております。
・更新超不定期&スレ主受験生なので更新出来ない時期あります。
・この小説は、作者がドMを書きたくて始めたどうしようもない小説です。そのため、マゾ先輩が非常に気持ち悪いです。ご了承ください←

*目次*
第1話 >>01>>02>>03>>04>>05
第2話>>06

*お客様*
夏月さん 感謝の一言に尽きます…!w >>07

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Re: 俺の部活の活動場所が屋上な件について ( No.1 )
日時: 2015/12/04 21:36
名前: 彼方 (ID: dzyZ6unJ)

「平太ぁー、お前何部入んの?」
 朝のホームルーム前の時間、高校で最初の友達の天原 啓哉が思い出したように言う。
 俺は深く考えずに呟いた。
「何部って……、何部入ればいいと思う?」
 すると啓哉は「おま、自分で決めろよって」と笑いだした。

「それか何?陸部でも誘ってやろうか?」
 啓哉は陸部だ。啓哉の話を聞く限り、なかなか青春な感じがして楽しそうだけど、面倒そうだ。
「陸部かー……。何か大変そうだからパス。もうちょい楽そうなとこねーの?」
 やる気ないのがありありと分かる声で俺がぼやくと、冗談めかして啓哉は言った。
「じゃあさぁ、『社会問題研究部』ってどーよ?」
 俺は思わず眉をひそめた。
「え?あの活動内容も活動場所も部員も謎のアレ?やだよ、何か怖えじゃん」


「社会問題研究部」、それは活動内容、場所、所属している部員など、ほぼ全てが謎の部活だ。
 唯一知られているのが、文化祭で廊下に壁新聞やポスターが、申し訳程度に貼られるのみ、らしい。
 社会問題というのは例えば中東の紛争だったり、少子高齢化だったり、SNSだったりについて、だ。
 俺はまだこの高校で文化祭を経験していないから分からないが。

 ただ、その壁新聞やらポスターの出来が先生方曰くとんでもなくいいらしく、その部活に入っているだけで内申が大体の教科は上がるという噂もある。
 なので、それ目当てにこの部活を探し回る輩も多いらしい。
 だが、入るには活動場所を探さなくてはいけないらしく、また見つけても部長(不明)に認められなくてはならないらしい。
 だから入るのに成功したという話は少なくとも1年の中では聞かない。

「いんじゃね、マジで。だって入るだけで内申上がんだろ?面倒くさがり屋のお前にはピッタリじゃねえか。入るだけで活動しなけりゃいいんだしよ」
 笑いながら言う啓哉。
 ____まあ確かに、入るだけで内申が上がるのは魅力的だ。
「まあいいかもしんないけど、そもそも見つかんねーよ、社会問題研究部」
 話を持ちかけた啓哉も真剣に勧める気はないらしく、「まっ、そーだよな」と言った。

 そこでタイミングよくチャイムが鳴り、啓哉は「陸部も考えとけよ」と言って席へ戻っていった。
 ____社会問題研究部、か。いいかもしれない。
 もしその部活が見つかったらの話だが。

Re: 我ら変人部っ! ( No.2 )
日時: 2017/01/11 19:44
名前: 彼方 (ID: pR7JxfSl)

「…………迷った」
 俺はため息を吐きながら廊下を歩き続ける。

 俺は教室移動の時は必ず誰かと一緒に行動するようにしている。
 しかしそれは、女子のように「一人やだぁ、トイレ一緒に行こぉ」みたいな理由ではなく、もっと切実な理由があるのだ。
 ……つまり、誰かと一緒じゃないと迷うのだ。
 すると必然的に遅刻する。すると不良だと思われる。すると目をつけられる。
 俺はそれを避けたいから、誰かと一緒に行動するようにしている。
 俺がここに入学してからまだ、一ヶ月と少ししか経っていないのだ。道を覚えられる訳がない。
 職員室や下駄箱すらあやふやなのだ。理科室やら音楽室やら、覚える訳ないだろ。

 ……ただ屋上探そうと思っただけなんだけどな。何でこんなに方向音痴かな、俺。
 そんな方向音痴の俺が誰かと一緒に来なかったのには理由がある。正確に言うと、来れない理由が。
 とりあえず上だ、と思って一番上の4階に来たが、北とか南とか、とにかく色々な校舎があるのは卑怯だ。今日中に見つかるかも怪しい。
 ……この廊下、もう3回ぐらい通った気がする。足が痛くなってきた。
 はあ、と本日何回目か分からないため息を吐いて歩き続ける。

 と、廊下の奥にまだ行っていない階段があるのが見えた。とりあえずそこへ向かって、「立ち入り禁止」のビニールテープを無視して上がると____、ビンゴ。
 ようやく屋上への階段を見つけた。
 後ろを振り返ってそれがどこの近くかを覚えておくことにした。……理科室か、それも人体模型がある方の。
 人体模型、人体模型、と呟きながら、俺はドアノブをまじまじと見つめた。そして、駄目元で回してみる。

 硬い感覚が伝わる。やっぱり駄目か。
 俺はブレザーの胸ポケットから、ヘアピンを2つ取り出した。
 もちろん髪を留めようと思って取り出した訳ではない。ヘアピンのうちの1つは半ばから直角に折れ曲がっていて、とても髪を留められそうにない。
 俺は鍵の前で片膝をついて、錠穴にそれを差し込む。
 俗にいうピッキングだ。

 なぜピッキングのやり方を知っているのかというと、俺は鍵屋の息子だからだ。
 そして俺の親父は不真面目で、息子に嬉々としてピッキングのやり方を教えるようなやつだからだ。
 鍵屋の血なのか、それとも特殊な嗜好なのか、鍵を見るとピッキングをしたくなる。
 この屋上のように、あまりメジャーではない会社の鍵は特に。

 特殊な嗜好といえば、もう一つあるんだが……、それは一生誰かに言えそうにないものだ。もしこのピッキングの趣味ともう一つの趣味が誰かに知られれば、友達が鍵しかいなくなるのは間違いない。

「……っと、開いた」
 ピッキングをやりすぎて、大体の鍵は1、2分で開けられるようになってしまった。
 学校の屋上には大体、鍵がかかっている。多分転落やら飛び降りやらを防ぐためだろう。
 だからわざわざ屋上の近くまで来る人はいない。

 ということは、屋上の鍵を開けられさえすれば、自分しか行くことのできない最高の場所が手に入る訳だ。
 自由にあんなコトやこんなコトができる。何をするのかは自重させていただく。
 こういう理由から、誰かと一緒に来ることは不可能だったのだ。

 おっれのばしょー、おっれのばしょーと適当なメロディーをつけて歌いながら勢いよく扉を開けた。
 途端に風が吹き、俺の制服をはためかせる。
 春特有の、花の香りかそれとも日だまりの匂いか、柔らかい匂いが鼻腔をくすぐる。
 やっぱり屋上はいい。もう少しフェンスに近付いてみようか。

 そう思って足を踏み出した時、足の裏に思いもかけない衝撃が伝わる。嫌な感触だ。

 ____俺、何踏んだ?
 恐る恐る足の先を見ると____、
「……うわあああっ!?す、す、すみませんすみませんんっ!!」
 屋上で空を見上げながら寝っ転がっている人の顔を踏んでいた。
 急いで足をどかすと、それはこの高校最強ともうたわれる、前園 真尋先輩の顔だった。
 やばい、俺死んだ。

 俺が冷や汗をかきながら前園先輩を見ていると、前園先輩は何かを期待するような目で俺を見た。
 何だ、何をすれば俺は許してもらえるんだ?
 ……そうか、金だ。
「すっすみませんっ!いまあまり手持ちがないんですけどっ、とりあえずこれだけで勘弁してくださいっ!!」

 俺が焦りながらリュックを漁っていると、不意に前園先輩が口を開いた。
「……おい、今の」
 てっきりすごい声で脅されるかと思いきや、意外にも感情の薄い声だった。
 ……いや、実はすごい怒っててそれで逆に感情の薄い声になっているのかもしれない。

「はひっ」
 緊張のあまり変な声が出た。
 そりゃそうだ。俺は別に不良じゃないから、そういう人と関わったことがない。
 それなのにこんな怖そうな人の顔を踏んでしまったのだ。
 そういう耐性はあまりないので、今の俺は恐怖に震えるしかなかった。
 前園先輩が俺を見上げて言う。うわあ、目つき鋭くて怖え。

「……よかった」
「…………はい?……なにが、ですか」
 よかった?何が?どういうことだ?
 俺の頭の中が疑問符で埋め尽くされる。
 すると、前園先輩はまた、何かを期待するような目で俺を見上げながら言った。
「……今のよかった。もう一回踏んでくれ。頼む」
「…………どういう、ことですか……?」

Re: 我ら変人部っ! ( No.3 )
日時: 2015/12/04 21:44
名前: 彼方 (ID: dzyZ6unJ)

 頭の中で何度もその言葉が反響する。それでも理解が全くできない。
 ……踏んでくれ、って言ったのか?まさか。
「……えっと……どう、いう……」
 訳が分からずに視線を泳がせていると、突然、鍵が差し込まれるような音がした。
 そして、がちゃ、と音がして、ドアが開く。

「…………誰?」
 そこにいたのは、次期生徒会長と噂される、2年副会長の佐渡 英梨先輩だった。
 校内の見回りかな、と思い、違う意味で自分の身に危機が迫っているのを感じた。
 なぜなら、ここは本来生徒が立ち入ってはいけないし、立ち入れもできない場所だからだ。先生に勝手に屋上に入った1年、と報告されてしまうだろう。
 いや、それだけならまだいいが、煙草を吸っていた、またはハーブを服用していた疑いがあるなんて言われてしまったらどうすればいいんだ。

「……名前は後でいいや。一年生君、君、どうやってここに入った?」
 柔らかい口調で佐渡先輩が問う。
 柔らかい口調なはず、なのになぜか詰問されている気分になって嫌な汗が流れる。
 そうか。佐渡先輩は薄く笑みを浮かべて優しげに俺に問いかけているが、目だけは笑っていない。剣呑な光を放っている。
 だからそんな気分になるんだ。

 答えられずに俺が固まっていると、その表情のまま佐渡先輩がなおも言う。
「ねえ、答えて?どうやって入ったの?」
 なぜか前園先輩よりも恐怖を感じる。どこも怖くないはずなんだが。
 答えないとこれより怖くなる気がして、意を決してブレザーの胸ポケットに入れていたヘアピンを二本出す。

「なにこれ?」
 一瞬目を落として、にこっと笑って俺の目を見て佐渡先輩は問う。優しい表情なはずなのに、やっぱり恐怖を感じる。
「えっと……、すみませんっ、その……、ピッキング、しました」
 恐る恐る俺が言うと、佐渡先輩は眉をひそめて「え?」と呟く。
「ピッキング?何で」
「その、屋上って立ち入り禁止じゃないですか。だから、ピッキングして入れば、その……「君だけの場所が手に入る、と」
 俺が言い淀むと、その後を佐渡先輩が引き取った。
 すみませんっ、と言って頭を直角に下げる。
 すると、俺の頭上から笑い声が聞こえた。嘲笑のような笑い方ではなく、心底愉快そうな声だ。

 しばらくして笑い声が止み、佐渡先輩の声が聞こえた。
「あー、笑った笑った。何だ、君は屋上に来たかっただけか。ならいいや。てっきり、この部活を知っててここに来たのかと」
 おずおずと顔を上げると、さっきのような詰問じみた雰囲気は霧散していた。
「部活、ですか」
「うん、そー」
 優しそう、というより快活そうな笑顔を浮かべ、佐渡先輩は言った。

「しっかしびっくりしたなー、時々部活に入りたくてしつこいヤツがいるから、君もそういうヤツかと思ったよ、もー」
「あの、部活って何の部活ですか……?」
 こわごわ俺が尋ねると、何でもないように下に寝っ転がる前園先輩が言う。
「……社会問題研究部だ」
「……ええええっ!?ここが!?本当ですかっ!?」
 今日ちょうど話をしたあの、謎の部活がこれなのか。
 確かに屋上が活動場所じゃ、見つかる訳がない。
 それに、部員が学校きっての最強の不良といわれる前園先輩と、次期生徒会長間違いなしといわれる佐渡先輩、という何の関連性もなさそうなメンバーじゃ、分かるはずがない。

「……本当だ。それよりお前、もう一回ふ「はいはい一年生君に変なこと吹き込まないでね一生黙ってようか豚野郎」
 何たる口の悪さ。
 佐渡先輩はこんな人だったのか。というか、こんなこと言われたらさすがに前園先輩も怒るんじゃないか____、
「……ありがとうございます」
「えっ、えええっ!?」
 前園先輩の反応は斜め上どころか思いっきり真反対にぶっちぎったような反応だった。
 前園先輩は、さっきまで感情の薄い声だったのに今は明らかに嬉しそうな声を出していた。
 ……え、待って、もしかして前園先輩____。

「それよりさっさと起き上がって?わざわざ寝っ転がって家畜アピールしなくてもマゾが薄汚い豚だってこと分かってるからさ?そこに寝られると目障りなの」
「……すみません、今後気をつけます」
 さっきまで無表情だったのに、前園先輩は頬を緩ませて実に嬉しそうな声でそう言いながら立ち上がった。
「ごめんねー、こいつドMだからさあ、変なこと言ったら素直にキモいって言っちゃっていいからねっ?あと、こいつの名字前園でしょ?そっから2文字とってマゾ先輩って呼んでやったら喜ぶからさ、そう呼んでやって」
 ……やっぱり前園先輩、ドMだったか。しかしにわかに信じがたい。
 だって、喧嘩で負けた試しがなく、子分やファン紛いの輩も多いと聞いたことのある前園先輩が、そんな嗜好の持ち主だなんて。

「何か、噂とすんごいギャップでしょっ?マゾね、喧嘩したくてしてるんじゃなくて、色んな人に暴言吐かれたり暴力振るわれたりしたいから喧嘩してんの」
 暴言吐かれたり暴力振るわれたりしたいから喧嘩してるなんて……、
「ちょっと気持ち悪いですね」
 それを聞いて嬉しそうになるのも少し、いや結構気持ち悪い。

 俺があまりのギャップに驚いていると、
「おー、ちょっと遅れたぞ、英梨、マゾ」
 と、声が聞こえた。そして、再びドアが開いた。ドアが開いた先には____、
 天使がいた。


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