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Re: Gimmick Game ~僕たちの歯車を狂わせたのは君~ ( No.37 )
日時: 2015/05/12 19:10
名前: 逢逶 (ID: 6k7YX5tj)

episode1
title 隔離

私はまたも目を覚ましてしまった。

でも、誰もいない。

そして、両腕と両足に感じる違和感。

見ると…
枷のようなものでしっかりとベットに固定されていた。

あれ、ここ病院じゃないのかな。

私…刑罰受けるのかな。

あれ、おかしいな。

私…飛び降りたはずなんだけど。

あれれ。


私もしかして…


…隔離されてる?


この部屋の様子からそう察した。

だってこの部屋は小さな窓と扉があるだけで…他には何もない。
病院なんだろう。
普通に考えてそうだ。

こんこんっ、扉を叩く音が聞こえる。
私は無言のまま扉を見つめた。

「失礼します」

そう言って入ってきたのは四十歳くらいの白衣を着た男性。
医者、だよね。

医者は私を見て悲しそうな顔をした。
そしてベッドの近くの床に座って、話だした。

「飛び降りたの、覚えてる?」

「…あー、はい」

「ここは病院。わかるよね?」

「…はい」

「んで、君は誰?」

「はい?小枝蓮ですけど…」

「うん、そうだね。じゃあ、これ。どうやって使う?」

医者が差し出したのはシャープペンシル。
私は固定された腕でシャーペンをもって芯をかちかちと出した。

「…うん。記憶に問題は無いようだね」

「あの…、この枷はずしてもらえます?」

「それはできない。君が正常かどうかきちんと確認しなければならない」

「なるほど…」

「君は一ヶ月も昏睡状態だったんだ」

一ヶ月?!

そんなに…。
でもそんなことより…


「…ここはどこですか?」

「精神科用の隔離室だ」

隔離…。
なんだか怖くて、鳥肌が立った。

「君の辛いこと、私に話してくれないか?…私の名前は永江だ」

え…

永江…?


それって…

朔くんと同じ名字。

たまたまだよね…


私はまだ朔くんに心揺さぶられるようです。