コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 日常パレード(仮) ( No.4 )
- 日時: 2015/10/15 20:19
- 名前: 海の幸 ◆TJ9qoWuqvA (ID: j465TTXA)
「どうだい理央、この学園ちょっぴり変わってるけどもう慣れたかい?」
「慣れるも何もやることなすこと万国人間びっくりショーだろ」
編入してから数日——変な時期の編入ということで妙に注目を集めたが、それも時間が経つごとに消えるものである。
午前の授業が終わって昼休みの屋上に2人の少年少女がいた。
黒髪で赤い目を持つ少女——本郷理央(ほんごうりお)に爽やかな好青年、片桐梓(かたぎりあずさ)はニコニコと笑顔を浮かべながら彼女に話しかける。
「青森以外で見られるアニメがここになかったらお前とあのドS男爵(あにき)はこの世にいないと思え」
「ははっ。それは怖いなぁ」
冗談ではないのだが。
冗談でも受け取ったかのように、梓はカタカタとパソコンを動かす。
妙に気になった理央はパソコンの画面を覗き込んだ。
「……何してんの?」
「水仙さんとメール。理央が何かやらかしてないか」
「何でアイツ(あにき)とメル友なのお前えええええええ!?」
「なにかあったらメールしてくださいって水仙さんが」
水仙、とは理央の兄である。
両親が昔からいなかった理央にとっては親みたいな存在だが、いかんせん奴の強烈な性格によって人生が60度ぐらい歪んでしまったということを実感している。
(一応女子なのに無駄に腕力ついたのって大体兄さんの所為だよな)
「あ、それは全く関係ないと思う」
「お前は妖怪サトリか」
真顔で拒絶し、さらに心を読んできた梓に思わず突っ込む。
失礼な奴め。
そう思いながら、リオはズゾーっと紙パックジュースを吸い込んだ。
「やだなぁ僕はサトリじゃないよ、ただ理央の思考がわかるだけさ」
「それは私がバカあるいは単純って捕えてもいいのかyou are ok?」
「NO」
「無駄に発音よくしゃべるなこの成績優秀者!」
「八つ当たり」
バシィッとパックジュースを梓に叩きつける理央。
梓は直撃した額をさすりながら無表情になり、何かをキーボードに打ち込み始めた。
「たった今水仙さんに暴力を理央は振るいましたって打ち込んでおいたから」
「はあっ!?何で!!」
「僕にこんなことをしたことを後悔するといいよ」
ニッコリ笑う梓。
普通の女子ならノックアウトの笑顔だろう。
だが、理央にとっては悪魔の笑みにしか見えない。
キーンコーンカーンコーン
「………授業……始まりますよ……梓さん……」
「何か言うことは?」
「いや、その」
「何か言うことは?」
「すっまっせんっした————っ!!!」
理央はスライディング土下座した。
腹黒さでは誰も梓にかなわない。
そう改めて実感した理央であった。