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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: センセイ×セイト ( No.5 )
- 日時: 2017/01/06 18:33
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: sE.KM5jw)
第3話
私は鞄を机に置き
紺のラインが入った白いベストのまま
カッターシャツを肘まで折る。
風間先生は窓の近くにある
大きなキャンパスの前に座る。
(キラキラしてる。)
私はフッと横目で風間先生を見る。
大きなキャンパスには何も描いていない
ジッとキャンパスを眺めている先生の
横顔は窓から差し込む日と重なり
キラキラと光っているように見える。
「綺麗だな…。」
ボソッと心の声を呟いてしまった私は
ハッとなり口を手で覆う。
風間先生がフッと私を見る。
「何が綺麗なんだ?」
鉛筆に手を伸ばしながら
風間先生が私に訊ねる。
私の顔が赤くなるのを隠しながら
「その真っ白なキャンパスの事!」
そう言って私も少し離れた所にある
中くらいのキャンパスの前に座る。
風間先生は「ふーん」と言いながら
キャンパスに目を向けた。
「確かに綺麗だな…。」
風間先生がフッとほころぶ。
私も鉛筆を握り風間先生を見ること無く
キャンパスに向かった。
キャンパスに下書きをする
鉛筆の擦れる音が静かな美術室に響く。
(止まれ止まれ)
私は1人心で呟く。
風間先生は頭を掻きながら
下書きを描いている。
チラッと風間先生を見やり
私の顔はドンドン火照って行く。
(やっぱり…)
私は鉛筆を握る手にギュッと力を入れた。
ドキドキと心臓が高鳴りを止めない。
(風間先生が好き…。)
私は風間先生の横顔を見つめて
そう心で叫ぶのだった。
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