コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【オリキャラ募集中】 ( No.185 )
- 日時: 2015/05/18 22:49
- 名前: 雪兎 (ID: VIeeob9j)
第六十九話 <何でもアリな体育祭編>
『第二種目は、借りもの競争やで〜。みんな、気張ってこーなあ〜。』
ふう、次の種目は借りもの競争かあ。懐かしいな。
みんなまだ二種目目なので、元気が有り余ってるようだ。とはいえ、ライバルチームが一グループ消えたことに関しては、物足りなさを感じてるみたいだった。
…エリオット君は、あれ以来相変わらずだ。いや、なんというか…
うずうずとその場で飛び跳ねてみたり、頭を抱えてみたり。なんかタイミングを探ってるようにも見えるけど、何してんだろ?……でもとりあえず落ち込んでる風には見えないから、大丈夫とは思うけど。
私は全然、気にしてないのになあ。
☆
『え〜、借りもの競争は3チーム同時に走るで〜。えーっと……そういうわけやから、勝ったとこが…ちゃうな、一位になったところが緑チームとの対戦権を得るで!!』
…無理やりシメてるけど、もっと説明上手な人いないのかな…?
まあ、ルールはわかった。よし、これなら何とかなりそうだ!
「ふん、やってやりますわよ!……野蛮ですけれど、燃えますわ!」
というわけで、第一走者はキャンディさんだ。赤チームは…あ、今出てきた。ロゼッタちゃんか!
黄チームは、なんかか弱げな男の子。びくびくと辺りを見回している。
会場から、次々と応援の声が飛ぶ。一般客だけではなく生徒の両親なども来場しているので、凄まじい声量だ。なんてったって、このだだっ広い校庭をほとんど埋め尽くしてるからね。
…っと、いよいよスタートだ!
『位置について。よーい…』
パンッ!
三人が走り出す。でも、それぞれ微妙に表情が違うのもまた面白い。
キャンディさんはキラキラと瞳を輝かせ、余裕の笑みを浮かべている。まるで女豹だ……。
って、おおっ!
いつの間にか、三人の手の中にカードが出現していた。へえ、さすが。一定の位置まで来ると、自動的に手に入るってわけね。
三人とも立ち止まって、辺りをきょろきょろと見渡している。と、最初に動いたのはロゼッタさんだった。
何かをひらめいたようにパッと瞳を輝かせると、なぜかメガネをはずした。
……っていうか、
(か、可愛いぃーーーー!)
と、誰もが思った。…のかは定かではないが、明らかに会場中がざわついた。
不思議な灰色の、うるんだ瞳。メガネをはずしただけでこんなに変わるのか!…と思うほど、オーラが違っている。こりゃ、ファン増えたな。
目当てのものを手に入れたらしく走り出すロゼッタさんを見て、二人は焦っているようだった。
するとキャンディさんが、何かに気付いたようにはっと息をのんだ。それに嫌な予感を感じ取ったのか、黄チームの男の子がビクッと肩を震わせる。
「まあ!丁度いいわ。こんなに近くにいたじゃない!そこの貴方、ちょっといっしょにいらっしゃい!」
そう叫ぶと、いきなり黄チームの男の子の手を引いて走り始めた。
男の子は「えっ、ええーっ!?ちょっとぉっ」と困惑しているものの、手を引かれているのでされるがままになっている。…さすがキャンディさん、押しが強い…!
ああっ、でももうロゼッタさんがゴール手前に…!
あともう三歩くらいの距離だ。まあ、しょうがないかあ…。
そのとき。
ビターンッッ!!
「「あっ…」」
こ、こ、
「コケた…」
「コケたね。」
「コケましたわね。」
マンガみたいにうつぶせに転がったロゼッタさんの隣を、手をつないだ二人がゴールする。
「う、うう〜…!」
その後、ロゼッタさんは半泣きになりながらゴールしたのだった…。
☆
カードの内容は、ゴールするとモニターに表示されるらしい。ちなみに、左から「異性」「メガネ」「ネコ」となっていた。誰が何を引いたか、大体わかるよね?
結果は、一位がキャンディさん、二位がロゼッタさんだ。黄チームの彼はというとお題をクリアできなかったので失格ということだった。お気の毒に……!
次回、第七十話。お楽しみに☆