コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 雨漏り傘。【短編集 完結】
- 日時: 2016/07/25 14:06
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
———虹色の世界、キラキラ輝いて。
△▼△▼
* 小説開始日・終了日
2015.12月13日(日)〜2016.7月24日(日)
* 目次
「幸福に潜む不幸。」
(君は習慣、僕は願い)>>2
「桜色の傘の下。」
(私は君の後ろ姿しか知らない)>>3
「涙雨はやむことがない」
(君の声は世界を照らして)>>6
「砂利道歩けば音が鳴る」
(足跡辿って、歴史作って)>>7
「らぶorらいく」>>8 >>9 >>10
(あの、さっきコーヒー出しましたよ)
「一日一歩前進せよ」
(カメラの中に笑顔があった)>>11
「夏の向こう側」
(雨が降らなきゃ虹は出ぬ)>>12 >>13
* 注意点
1、更新不定期
2、コメント大歓迎。荒らし又はナリは禁止。
3、パクリ厳禁
△▼△▼
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2016/01/02 14:39
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
* 挨拶
初めましてorこんばんは、洸(ほのか)です。
前にも一度、短編集をやっていましたがまた始めました。
〝雨〟にまつわるお話(例外あり)を、短編集で書いて行こうと思います。
恋愛が7割くらいでその他もろもろが3割程度を占めるかと。
是非、一話一話に目を通してもらえたら幸いです。
(前の名前:紬 知っている方もいるかも……いないかも←)
尚、此処で「 泡沫少女」も書いております、此方も是非。
宜しくお願いします(´∀`*
* お客様
・蛍。様:>>4
△▼△▼
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.2 )
- 日時: 2015/12/13 16:36
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: XM3a0L/1)
「幸福に潜む不幸。」.君は習慣、僕は願い.
———大粒の雨が、窓に強く打ちつけられる。
一向に止む気配を見せない雨に、気分の失せる人はどれ程居るのだろう。
リビングに雨音が虚しくも微かに聞こえ、僕は〝嘘〟の溜め息を吐いた。
「花音(Kanonn)、なんでお前が此処に居るんだ!?
家は隣なんだから、わざわざこっちに移動する必要はないだろう!」
掃除機を片手に、僕はソファーでくつろぐ花音に視線を向け言った。
今、此処にいるのは僕と彼女だけ———つまり、2人きりである。
しかし、胸の高鳴りなんてするはずがない。幼馴染なのだから。
……それも彼女にとっては。
「別に良いじゃない。汐音(Shionn)が1人ぼっちだから、
可哀そうだなーって思ってわざわざ来てあげてるんだから」
「……本当は?」
「習慣ね」
この会話も何度目だろう、とため息をまた1つ吐きながら考える。
家が隣同士の僕らは、しょっちゅう互いの家を行き来している。
僕が彼女の家に行く理由など明白だが、彼女に至っては習慣なのだ。
雨の日にのみ僕の家に来る、謎の習慣が根付いているのだ。
周りの皆は羨ましいと口を揃えるが、寧ろ哀しくなってくるだけだ。
彼女にそんな習慣が根付いたのは、〝幼馴染〟だから。それ以上でも以下でもない。
「……花音、僕だって一応は男だよ? 少しは警戒、したらどうなの」
床に掃除機をかけながら、さらりと言ってみる。
すると、彼女はテレビを見て笑い、そのまま視線を此方に向けた。
「警戒って、何をどうするのよ? 第一、汐音はそんなことする人じゃないでしょ」
「……何を根拠に言ってるんだか」
その答えに、思わずぼそりと心の声が漏れてしまう。
掃除機の音でかき消され、彼女の耳に届かなかったのは幸いだ。
そして、テレビにまた夢中になってくれたのも幸いだ。
今の僕の表情は、きっと彼女を混乱させてしまうだろうから。
———僕の暗闇の中での戦いは、まだ続く。
幼馴染という境界線は、どんなに強力な洗剤でも落とし切れないだろうから。
× ×
- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.3 )
- 日時: 2015/12/28 14:40
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「桜色の傘の下。」.私は君の後ろ姿しか知らない.
雨は嫌いだ。雨は恵みをもたらすが、やっぱり雨は嫌いだ。
水溜りを避けても、なぜか靴下が濡れるし、服や鞄まで被害が及ぶ。
それに湿気が凄いから、私のような癖っ毛には本当に迷惑でしかない。
靴擦れの酷いローファーで、今日も水溜りを避けて歩く。
反射とかの影響か、間違えて水溜りに足を突っ込んでしまうことも。
その度に、私は心の中で呻いては、代わりの靴下を持ってきた自分に感謝。
「うっわ、遅刻確定……」
スマホを取り出して時間を確認するが、時間の流れはとても速いようで。
なんともう5分前である。此処から学校まで、まだ10分は掛かると言うのに。
また怒られてしまう。怒り任せに、水溜りを蹴り足早にコンクリートの道を駆け抜ける。
すると、後ろから1つの足音が聞こえた。
「速水(Hayami)おはよ! 入れて入れて」
同級生の加賀(Kaga)は、白い肌に黒髪をしっとりと濡らしている。
傘無しで此処まで来たのか、全身はびちょ濡れで肌にシャツが張り付いていた。
整った顔立ちに屈託のない笑顔で、加賀は躊躇無く私の傘の中に入ってくる。
「あーあ、俺ら遅刻だね。一緒に先生に怒られるとしますか」
横でそんな笑顔を向けないで欲しい。
胸の高鳴りが、これ以上は危ない程高鳴っている。
——やっぱり、雨は嫌いだ。
× ×
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