コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お前なんか大嫌い!!-勘違い男たちの恋- ( No.2 )
- 日時: 2012/11/02 23:23
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
- プロローグ 
 ドゴンッ! という破壊音が、蒼穹へ轟いた。
 直後、ビルの1部が空高く飛び上がり、キランと星を輝かせて消えて行く。どうやら大気圏外で塵となったらしい。
 そのビルを吹っ飛ばしたのは、1人の少年だった。
 中肉中背の、高校生ぐらいの少年である。茶色の髪にヘアバンドの如く装着されたヘッドフォンが、実に印象的である。幼い顔を盛大にしかめながら、少年は絶叫した。
 「————おぉぉぉぉおおおおおおああああああああああああああ!!」
 彼の手に持っているのは、野球ボール大の石である。それを目標へ向かって全力投球した。
 ゴォォ! と流星となった石は、1人の少年の元へ飛んで行く。
 それを首を動かすだけでよけたその少年は、手に持っていた身の丈を超す巨大な大鎌を振り上げた。
 ドンッ! という爆発音が辺りに響き渡り、傍にあった全てのものを焼失させる。ビルも、道も、街路樹も全て灰と化した。
 「テメェはワンパターンしか攻撃方法がないのか? ノーキンなのか」
 「うるさいやい! 人がせっかくコンビニでアルバイトしているのにもかかわらずコンビニを吹っ飛ばしてくれちゃって! これからどこでバイトをすればいいんだよ! 今月の収入分かってる? ヒーローやってんのに収入100円だからね?! ボランティアで死神なんかと戦ってねぇんだよ!!」
 ギャーッ! と叫ぶ茶髪の少年は、さらに鎌を持った少年へ石の投球を試みた。
 しかし、ひょいひょいとかわされてしまうのである。もはや攻撃がワンパターンなので、彼にも読めているのだろう。
 少年はわはははと高笑いを上げつつ、鎌を再び振り上げた。
 「今度こそテメェには死んでもらうぜ!!」
 「くそ死神のくせして何を言ってやがる。この少女容姿」
 「何だと?! 俺のどこが少女容姿だというんだ。この単純馬鹿!」
 「カッチーン。よぉしそこ動くなよ、今からこのシャーペンでテメェの眉間をブチヌク」
 「やれるものならやってみろ。そんな傷俺は1秒もあれば回復するがな」
 「キィー!! 本当にムカつくな、テメェはよぉぉぉぉおお————————!!」
 茶髪の少年・椎名昴は髪をガシガシと掻きむしった。
 黒髪の少年・東翔は盛大に舌打ちをかました。
 この2人、実は敵同士である。犬猿の仲。とても仲が悪い。よろしくない。
 「「お前なんか————大嫌いだぁぁぁ!!」」
 そして今日もこの2人による喧嘩と言う名の戦争が起こるのだった。
 被害総額は——実に2億に上ったという。
 さて、ここから始まるのは完璧にお馬鹿なアンチヒーロー物語である。奇人変人その他色々出演しますので、心してお読みください。
