コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Sweet×Sweet ( No.4 )
- 日時: 2015/06/17 17:57
- 名前: ヒナ (ID: XaDmnmb4)
- ※このお話は、別スレで質問した回答を基に書いています。 
 【クロッカス 1月3日】青春の喜び
 「はよーっ!」
 横から突然大きな声が聞こえて、私はびくりと肩を揺らす。
 恐る恐る横を見ると、冬なのに向日葵を連想させるような笑顔。
 「挨拶しただけなのに、すっげービビってんな!」
 はははっ、とそれだけのことで楽しそうな、鈴木蓮。
 私は縮こまって、おはよ、とつぶやいた。
 *
 「じゃ、文化祭実行委員、よろしく頼んだぞ」
 そう言ったのは私のクラスの担任の先生。
 私はあまりの出来事に、返事も反論もできずにただ立っていた。
 そこに、私の友達、佐藤葵が軽快なリズムでやってくる。
 「やぁ、優奈ってば残念だったね! 実行委員になっちゃうなんて」
 ばしばしと背中をたたかれ若干痛かったが、まぁ、許そう。
 葵はそんな私の気にはすっかり気づかないように、ニヤリと笑う。
 「でもでも、あの鈴木蓮と一緒なら…………よかったじゃん?」
 葵の見る方へと視線を向ける。
 「……ん?」
 丁度こっち向いた蓮と目が合ってしまって、私はわたわたしてしまう。
 「あらら……優奈ってば、顔赤いよ」
 とどめに葵がそんなこと言うから、私はもっと意識してしまう。
 「まぁ……でも優奈は男子に免疫なさすぎるんだよねぇ……」
 やっぱり葵は私の気に気づかず、一人感慨深げにため息を吐く。
 まぁ、でも葵のそういうところも、意外と好きだったり。
 私って変なのかも。
 「ま、頑張れ! 蓮で免疫力つけてきなよ!」
 前言撤回。
 やっぱりこういうところ苦手!
 *
 「これで文化祭実行委員会の係り決めを終わります。各自準備、作成お願いします。では解散」
 実行委員長となった生徒が、そう言い、生徒はぱらぱらと帰り始めた。
 私は思わず頭をごん、と机にぶつけた。
 私が痛みに目をつぶっていると、
 「えっ!?」
 と、横から男子生徒の声。
 私は体に力が入るのを感じた。
 「だ、大丈夫? 痛くないの?」
 心配そうな声に、顔をあげると、鈴木蓮の顔が近くにあった。
 「わあああっ?」
 あまりの近さに大声を上げてしまって、周りにいた人たちから白い目で見られる。
 「田中さん、一緒に帰ろーよ!」
 それが自分に向かって言われたものと気づくのに時間がかかった。
 だが、私がそれに気づくよりも先に蓮が私の腕を取って箸歩き出してしまっていた。
 「わっ、えっ!? ちょ……っと」
 慌てて配られたプリントを掴まれた反対の手でつかむ。
 蓮の横にやっとの思いで並ぶと、蓮は何やら嬉しそうに笑っていた。
