コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.123 )
- 日時: 2015/05/02 17:35
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
 「真白から離れろおお!!」
 「えぇっ?!」
 別に言うほど近くない距離だが。千破矢はそう言いながらカインに蹴りをいれる。ちなみに真白は寝ていて、他はみんな揃って買い出し。2人(というか千破矢)をとめる者はいない。
 「ど、どうしたの……」
 「……お前竜人だし」
 「君けっこう極端だね?!」
 ——ここにて千破矢の竜人恐怖症発覚。今までの経験からいっても無理はないが(襲撃かけてきたのはほとんど竜人)。そして千破矢がボケてる件。
 「っていうかなんで今まで黙ってたんだよ!!」
 「言う時間なかったし……、っていうか言う必要ないかなって。だって俺も千破矢くんの種族教えてもらってない。知ってるのは真白だけだよ」
 「それだ! お前なんで真白のこと知ってるんだ!?」
 「千破矢くんと会う前、俺と一緒に旅してたからね」
 「そんな話聞いてない!!」
 「話す機会がなかったか、言う必要がないって判断したからじゃないかな」
 「——……空の馬鹿野郎!!!!!」
 「俺でも真白でもなく空のせいにするんだ!? 一人は危ないよ!!」
 千破矢が荷車を降りた際の振動で、真白はやっと起きる。体を起こしたと同時にカインが続いて飛び出して行く。真白は起きると自分がいわゆるぼっちだということに気付いた。
 「……」
 この後真白は二度寝を開始するのだが、それはまた別の話。
 *
 ——なかなか見つからなかったが、まさか向こうから来てくれるとは。
 ——あれからどれほど強くなったのだろうか。
 ——なあ、どうなんだよ。
 千破矢は行くあてもなく走っていた。後ろを振り向くとすぐにカインの姿が見える。あれを何とかしてまいて、それからしばらくして帰ろうと考えている。それに、ここは商店街で人通りが多いから、逃げるにはもってこいである。
 ——それは、奇襲をかけるにあたっても同じである。
