コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: KEEP THE FAITH ( No.198 )
- 日時: 2015/12/16 18:46
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
- 参照: フラググラッシャーとは私のことである。
 「いってきます」
 そう言って出て行った千破矢を見送り、新・胃痛担当のフラムは溜め息を吐いた。
 「いや、オレだってさ? ボケたい時もあるじゃん? なのにさ? なんでオレしかまともな人がいないってことに? 日向でも良いじゃん? オレだって風蘭ちゃんと遊びたいしさ? 子どもだし? つか何なのツッコミって。何したらいいの。オレそこそこ自然体で千暁様に駆り出されない日常を堪能してただけだし? そりゃあ千破矢さんと同じ炎魔法が得意だったり馬鹿だったり共通点はあるけどさ? そんな役割までまかされてもさ? あーもうオレつーかーれーたあああああああああ!!!」
 「君はイケニエ2号として選ばれたのだよ」
 「いやだよ生贄とか!!!!!」
 死んだ魚の様な目をしていたフラムに最初の仕事を与えたのは真白だった。その真白も死んだ魚の様な目でボケをかましているためなかなか恐ろしい光景だが。
 「久しぶりだね、真白。こっちは真白たちがいない間に3回くらい攻められたよ」
 「少し多くないか、それ。今まではもっと少なかったような気がする……。あ」
 「?」
 「いや、なんでもない」
 そう言えばおばあちゃんにツクヨミだのなんだの言われたなと思い出し、だが日向にそれを言えば事件の予感しかしないため誤魔化す。
 その頃風蘭は帰宅と同時に筋肉痛でぶっ倒れた詩音の看病。デジェルは全力で豪雷を押さえるという事態が発生していた。
 アストルは自宅警備員(本気)。
 「次の討伐当番は決まったか?」
 「あー、うん。次はね……」
 千破矢と鈴芽の欠けているが、完全防衛隊生活は再び幕を開けた。
 *
 時は数週間前に遡る。
 鈴芽がコギク村へ帰ると、待ってましたと言わんばかりの勢いで飛びついて来たのはポートグリフ。
 「おばあ様、魔王軍からゼノになったよ」
 「Oh……」
 真っ先にこの頃の彼女にとっては意味不明な発言をされ、ポートグリフに抱き付かれながら硬直する鈴芽。ヘルプ豪雷、この村の闇はあたしじゃどうにも出来ないよ。そんなことを心の中で呟きながら。
 「もういいや萎えた。家でお茶飲んでから帰る……」
 「ゼノは魔王軍の残党を根絶やしにしているみたいだけど」
 「……。……やろうか、intelligence gathering」
 こうして鈴芽の長旅は始まったという。
