コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: なるやん、時々へたつん。【オリキャラ募集!!】 ( No.10 )
- 日時: 2015/12/31 00:14
- 名前: 彼方 (ID: dzyZ6unJ)
- 第1話「俺じゃ釣り合わないから」 
 ある六月の日。
 「よっしゃ友哉!部活行くぞーっ!」
 「え、いやちょっと俺腹痛がひどくて「言い訳無用!お前がサボりたくてた適当な理由でっち上げてるのは分かってんだよっ!」
 放課後、俺は部活に望に体育館へと引きずられていた。
 俺は必死に具合の悪そうな表情をつくる。
 「いやほんとに今日調子悪りいんだよ。あ、頭まで痛くなってきた……、これは部活行ってはいけない病だ今すぐ帰らな「友哉」
 俺の悪あがきは望の声で呆気なく遮られてしまった。望が笑顔でこう言った。
 「菜々架に『友哉にこのブサイク死ねって言われた』って言ってあげようかーっ?」
 想像しただけなのに、俺はじっとりと冷や汗をかいた。……そんなことを言ったら、菜々架は激怒して、きっと悪魔のような微笑みとともに包丁を持って殺しに来るだろう。俺と望と菜々架が幼馴染という点を引いても、殺しに来る理由としては十分。一度、望に「お前死ねよ」と言ったせいで、首を絞められ、花畑が見えたこともあるぐらいだ。
 「ひっ、卑怯だぜっ、男の癖に彼女を使って脅すなんてッ」
 「友哉、歯の根が合ってないよ?……どうする?部活行くよねえ?返事は?」
 選択肢は一つしかないじゃねえかよ。
 「……イエッサー」
 「最初っからそー言えばいいんだよー。今日は隣のライバル校と練習試合なんだから、来てもらわなきゃ困るからねーっ。友哉はうちの高校のメインのセッターなんだから」
 望がまくし立てながら俺を体育館の男子更衣室に無理やり引っ張っていく。
 俺と望は男子バレー部。理由は、中学の頃の望の
 「んー、何かバスケ部ってザ、イケメンって感じでつまんないよねえ。テニスも爽やかな感じでつまんないしなあ。バドミントンは軟弱な感じするから嫌だし、サッカーは泥臭いからパス。剣道、柔道は魅力が感じられないし、文化部は論外。……ということでバレー部入ろう!友哉もね!強制だからな!」
 という偏見甚だしい意見によるもの。
 お前、バド部とサッカー部と剣道部、柔道部、文化部に謝れ、とその時言いたくなった。そして、今もズルズルと高校も男子バレー部に入っている。
 ポジションは、望はエースアタッカー、俺はセッターだ。
 エースアタッカーとはそのまんまで、攻撃の中心となるポジションだ。望らしい、花形のポジションだ。
 セッターとは、専門が攻撃でも守備でもなく、攻撃をするアタッカーに打ちやすいボールを上げるポジションだ。アタッカーに比べ、目立たず簡単なポジションに見えて、実はすごく大事なポジションだったりする。上手いセッターほどボールが打ちやすいので、セッターの腕が良ければ良いほど攻撃が決まりやすくなる。
 高2になってすぐ、望はエースアタッカー、俺はメインのセッターになった。
 望は才能がある上に、ああ見えて意外と努力家なので、納得できる。……俺のポジションは納得できないが。
 何故才能もなければ、事あるごとにサボる機会を伺うような俺がメインなのか。この高校の男バレ七不思議の一つに入れてもいいぐらい不思議だ。
