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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 後輩くんの甘い誘惑 ( No.20 )
- 日時: 2015/08/26 22:16
- 名前: 久遠 ◆rGcG0.UA8k (ID: FQvWtEF/)
- 凛side 
 「っ……はぁ……」
 息も絶え絶えに走り抜いた50メートル。
 後一歩という所で枢には届かず二位という結果で終わった。
 「くそっ……」
 思わず悪態をついてしまう程に悔しくてたまらない。
 本気も本気、全力で走った結果がこれだ。
 先輩は……安心してるのかな?
 そんなふうに思ってしまうのは、一年間ずっと先輩を見てきて知っているからだ。
 メールではOKしてくれたけど、勢いだけで言った可能性もあるだろうし。
 そう考えると枢に負けて正解だった気すらしてしまうから不思議だった。
 「落ち込んでないで気合入れ直さないと……」
 何も個人で出る競技が一つだけで終わりって訳じゃない。
 つまりまだチャンスは残っている訳で。
 額に滲んだ汗を拭って、呼吸を整えて。
 自分の待機場所へと向かった。
 次は三年生の種目だから先輩も出るはずだ。
 まずは先輩を応援して、それから改めて頑張ろう。
 そう決意して先輩の姿を探す。
 そして中間地点くらいに待機する姿を見つけてジッと見つめた。
 次の種目は……障害物競走、か。
 この種目に先輩が出るのは以外だったけど、応援することに代わりはない。
 「転んだりしないで下さいよ……」
 遠目でも分かるほどに緊張が伺える先輩を見ながらそう呟いた。
 そして、その呟きを合図にするかのように競走は始まって——
 僕はただ先輩が無事にゴール出来るよう祈るのだった。
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