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- Re: 冷めた太陽 ∇第2章入学 更新中∇ ( No.35 )
- 日時: 2015/09/22 23:41
- 名前: ぽんた。 (ID: tDifp7KY)
- ∇∇∇ーー記憶ーー∇∇∇ 
 気づくとここは、私の部屋のベッドだった。
 「……夢?」
 そう思ったけど、指にはリング、胸元にはペンダントがかかっているから、違うだろう。
 私が考え込んでいると、部屋のドアが開く。
 「あら、気がついた?」
 「あ……お母さん……。」
 「よかった、大丈夫そうね。初めての魔法空間に疲れが出たみたいで、ここについた時にはもうぐったりだったんだから。」
 ああ、そういうことか。ふと、カレンダーを見る。
 「ええ!? に、2月!?」
 慌ててスマホを見ると、ロック画面の日付は2月14日を指していた。バレンタインデーの日。それに気付いた瞬間、全身が寒気に覆われる。なんたって、夏服のセーラー服のまま。お父さんの葬儀は9月だったから……。
 「私、そんなにねてたの……?」
 「うん、寝てた。」
 お母さんは冷静に、笑顔で言う。
 「だ、だったら、長袖ぐらい着せてよぉ……。」
 「ああ、寝ている間は私の魔法で体温は保っていたし、ご飯の栄養も与えてたから、大丈夫よ。あと、休んでた分の授業内容も、頭に入れてあげといたから。」
 おお、最後のはほんとに嬉しい。てか、すごいな、この人は。ゴールドランクになるとここまで出来るのか。
 「さ、着替えなさい。学校行かないと。」
 「え、学校? 学校かあ。なんか久しぶりだな。」
 「あー、そうそう。学校の皆の中では、柚月は毎日元気に学校行ってたことになるから。その設定でね。」
 まじですか……。それで卒業式までの出席日数保ってたんですね。すごい。
 「あ、それから……。」
 そういうとお母さんは申し訳無さそうに、悲しい目をしてこちらを見る。
 「な、なに?」
 「あのね、柚月が中学校を卒業したらね、皆の記憶から柚月に関する記憶が全てなくなってしまうの。だから……。だから、思い出作りは慎重にね。」
 「え……。」
 記憶が……消える……?
 「それって……えっと……。」
 「ごめんね。辛いけど、お母さんもお父さんも魔法使いはこれを乗り越えなければなれない。」
 「そんな……。」
 私の身体は力が抜けて、その場で崩れ落ちた。
