コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.121 )
- 日時: 2016/02/11 16:03
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: fIG41VUw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
- episode4 
 「未希ちゃん!!」
 「嘉音ちゃん!!!」
 久し振りに、嘉音ちゃんに会いました。
 「最近忙しくて、玲那兄も不機嫌でさー。」
 「寂しかった〜……。 玲那くんもきっと寂しかったんだよ。」
 御互いに笑い合って、玲那くんの病室へと向かう……──。
 すると後ろから──……
 「俺が何だって??」
 いつも通り不機嫌な表情と声の玲那くんが立って居た。
 「良かったね玲那くん! 御待ちかねの嘉音ちゃんが来たんだよ!!」
 「やっほー!! 最近来てなくて御免。未希ちゃんとかに迷惑掛けて無い?──」
 「いやいや……平気だし。」
 「とか言って何時も暴言言ってるじゃん!?」
 言葉だけ聞いて居ると言いあっているようにしか思えないけれど、ずっと会って居なかった嘉音ちゃんが来て玲那くんも思ってる事言えてるんだろうな。
 「私は平気だよー!」
 「──ほら。」
 「もう、未希ちゃん優しすぎるって!」
 そうかな──……?
 「2人見てるとなんだか羨ましくなるよ……。」
 2人は不思議な顔をしていたけれど私は軽く微笑んだ。
 【続く】
 byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.122 )
- 日時: 2016/02/18 16:30
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
- episode4.5 
 玲那兄のベッドに、3人で座った。
 開いて居た窓から入る風が、私達の髪を靡かせた……。
 未希ちゃんの髪は何処か映画のワンシーンのように綺麗に靡いて、少しばかりドキドキとさせられる。
 私は少し可笑しいのかも知れない。
 「嘉音は、未希ちゃんに感謝してる!!」
 きょとんとした表情になる未希ちゃん。
 私は笑った──もしかしたら八重歯見えてるかな……?
 前までは私しか居ないと玲那兄も素っ気なくて……ずっとヘッドフォン付けたまんまだったのに今は首に掛けてる。
 「ホントに? 良く分かんないけどそう言って貰えて嬉しいな──」
 ふんわりと私とは違う微笑みを見せる未希ちゃん。
 「未希ちゃんとさ、玲那兄が退院したら嘉音と3人でどっか行きたい!!」
 私は唐突に頭に思い浮かんだ事を言ってみた。
 「はぁ? んなの何時になるか分かんねぇよ……」
 「楽しそう!! 私頑張らなきゃなぁ──」
 玲那兄は相変わらずブツブツ言って居たけれど、私は無理矢理でも連れて行く──という意味を込めて笑った。
 若干玲那兄は引いて居た。
 その後は、退院したら何処に行くか。何をするか……真剣に話し合った。
 玲那兄は途中から呆れて、ヘッドフォンを付けてしまった。
 あっという間に時間は経ち……──、
 「じゃあまた来るからねー!! 玲那兄、未希ちゃんまたねー」
 八重歯なんて気にせずに思い切り笑った。
 「うん、絶対御出掛けしようねー!!」
 「……おー。」
 約束ー!!と言って病室を出て行った。
 「未希ちゃん、玲那兄の事宜しく……」
 聞こえる筈も無ければ、目の前に未希ちゃんが居る訳でもないのにそう、私は呟いて居た。
 【続く】
 byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.123 )
- 日時: 2016/03/07 16:02
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
- episode5 
 私は何時も、子供から御年寄りの人まで色んな人の御世話を担当して居る。
 当然其の人其の人によって、全然違う過ごし方をしている──という事は私だけが知って居る(?)事でも有り……。
 何が言いたいんだって思った人も居るとは思うけれど、私は良く未希ちゃんを見て居て〝こんなにも人に囲まれて過ごして居る子〟は居ないって感じで何時も人が沢山居る。
 やっぱり優しくて誰からも愛されて好かれる人は居るんだな……そういう人の象徴みたいな感じで──。
 なのにまだ、未希ちゃんの御母さん以外誰にも本当の事を言えて居ないのが不安だし──でも伝えたくないし……。
 もどかしさに悩んで居ます。
 「どうすればいいと思う?」
 なんて本人に聞ける筈も無いし……。
 唸りながら未希ちゃんの居る病室へと向かった。──やはりそこには、同じ病室の錬くんや澪ちゃんが居て、近くには陽翔ちゃんや雫くんも居た。
 私の何時もと違うぎこちなさに澪ちゃんが勘付いたのか──
 「どうしたの? 何か遭ったのですか??──」
 と聞いて来る。
 真っ直ぐに私の方を向くその瞳に映る自分の顔を見るのが嫌でつい目を逸らしてしまう。
 「う、ううん!! そんなに変だった?」
 私は笑顔で聞いた。
 「……気のせいかも」
 澪ちゃんはそう言って、再び未希ちゃんの方へと向き直した。
 「疲れてるんじゃないですか?」
 未希ちゃんは向日葵のような笑顔でそう言った。
 笑顔なら未希ちゃんの右に出る人は居ない。
 「そうかな〜? チョコ後で食べよーっと」
 あえて明るく言った。
 「やっぱり鈴さんらしい」と未希ちゃんは笑った。
 やっぱり其の笑顔を見ると胸がキュッと締め付けられる気がした。
 【続く】
 byてるてる522
- Re: 僕と君との2年間。【参照1000突破♪】 ( No.124 )
- 日時: 2016/03/25 11:52
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: lKhy8GBa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
- episode5.5 
 「それじゃあ」と言って私は未希ちゃん達が居る病室を出た。
 まだ痛む胸に手を当てて、フゥ──と息を吐いた。
 少し収まった痛みを確認してから再び歩き始める……。
 次は隣の隣の病室の方だ。
 まだ入院されたばかりであまり他の病室の人愚か、同じ病室で過ごしている人とも会話をせずに閉じ籠って居る。
 ──最初は誰でも普通そうなると思う……。
 私だって同じ立場だったら、きっと同じだと思う。
 成るべく会話したくないしする気力さえも無い。
 退屈で堪らない──だったらベッドに寝て居よう、と考えてしまう。
 自分から行動を起こせる人は凄いと思う。
 改めて、強く私は感じたのだった。
 *
 次の日、私は何時もと違う気持ちで病院に入った。
 「お早う御座います」
 私は既に来ていた、同じ病院で働く優姫さん達に言った。
 「おはよう」「お早う御座います」と周りから声が聞こえて来た。
 何時も通りだけど、皆少しピリッとして居るなと感じた。
 「皆さん、お早う御座います」
 主治医の先生が言って、一斉に私を含む看護師がそっちへ向いた。
 「今日は避難訓練が有ります。もしもに備えて慌てないように対応する私達の為の訓練でも有ります……正しい行動をとれるように心掛けましょう」
 「ハイ──!!」
 私はそれを思ってソワソワして居たのだった。
 まずは何時も通りに過ごして、13:00から始まるのだ。
 予め、入院して居る人には知らせてある事だから平気だとは思うけれど。──
 自分が落ち付いて居ないのが感じとれる。
 【続く】
 byてるてる522
