コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) ( No.13 )
- 日時: 2016/07/29 22:45
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: u5JYbeHw)
- 参照: 今は当たり前なんて思わない
- 第八話『謎の声援』 
 時の流れは残酷で、
 いつだって私を置いて進んでいく。
 **
 その日、音楽のテストがあった。
 私のクラスは音楽選択者が多いので、他のクラスが混ざることなく一クラスだけで授業をしている。
 だから壱もボスもきいくんも牧葉も沙菜も、みんな一緒だ。
 テストは個別の部屋で行われるため、音楽室は騒がしかった。
 男子は窓の方へ行き相変わらず変な事をしていて、女子はピアノ側でおしゃべりをしている。
 私も沙菜と世間話をして、時を過ぎるのを待っていた。
 「——あ、次依麻の番じゃん」
 私の前の子が戻ってきて、沙菜にそう言われる。
 私はハッとし、立ち上がる。
 「ほんとだ、ちょっくらいってきますわ」
 「頑張れ〜」
 沙菜に応援をされ、私はやる気を出してドアの方へと向かった。
 すると男子は皆こっちを向き始める。
 ……え、何何何何。
 そう慌てながらも男子に背中を向けてドアに手を掛けた瞬間、
 「頑張って!」
 「頑張れー!」
 「頑張れbyボス」
 応 援 コ − ル 多 数
 え、え、え!?
 突然の男子からの応援コールに、私は戸惑いながら小さくお辞儀をして慌てて逃げた。
 焦り過ぎて、違う個別の部屋に行ってしまったのは秘密。
 **
 なんとかテストが終わり、私は音楽室のドアを開けた。
 すると再び男子は私の方を向く。
 ……ん、デジャヴ?
 「おつかれーっ!」
 牧葉がそう言い、私は「ありがとう」とお礼を言う。
 すると牧葉の声が合図になったかのように、
 「おつかれ!」
 「おつかれー」
 「お疲れ様!!」
 誰が誰だかわからないが、今度は男子からのおつかれコール。
 私は軽く微笑んで、自分の席へと向かった。
 「依麻、お疲れ〜」
 「ありがとう、沙菜!」
 沙菜に笑顔を向け、自分の席に着き、ひたすら考える。
 応援コールといいお疲れコールといい……。
 嬉しいけれどいきなりなんなんだ!?
 こういうのが慣れていない私にとって、嬉しくもあり恥ずかしくもあり——……。
 どういう反応をしたらいいのか、わからなかった。
