コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) ( No.18 )
- 日時: 2016/07/29 22:53
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: u5JYbeHw)
- 参照: 今は当たり前なんて思わない
- 第十三話『隣のクラスの女の子』 
 やっぱり、好きなのかもしれない。
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 五月に入り、私は壱をひたすら目で追っていた。
 二年前の、初めて一目惚れした時の様に——。
 しかし、現実はうまくいかなくて。
 目を合わせようと頑張るけど、全然目は合わなかった。
 ただ時間が進んでいくだけで、私は溜息をつく。
 恋愛は、難しい……。
 「……はぁ」
 そんな事をあれこれと考え込んでるうちに、あっという間に六時間目になってしまった。
 六時間目は全校集会なので、私は体育館へと向かう。
 私の斜め前にいるのは、杉名美々ちゃんと仲のいい隣のクラスの子。
 山高春ちゃんだった。
 春ちゃんは高校一年生の学祭期間の時、当時私が好きだった小八克弥——。
 あのハチと話していた可愛い女の子である。
 結局ハチの好きな人だったのか彼女だったのかは謎のままだが、相変わらず春ちゃんの可愛さは健在であった。
 そう思いながらぼーっと春ちゃんの背中を見ていると、
 「——……前入ってもいい?」
 突然美々ちゃんに話しかけられ、私はハッとする。
 や、やっぱ可愛い……!!
 「ど、どうぞどうぞ!!」
 思わず敬語になりながら前をあけると、美々ちゃんは小さく微笑んで私の前に入った。
 ……そっか、春ちゃんと隣になりたかったのか。
 私は納得し、美々ちゃんのサラサラな赤茶色の髪の毛をただ見つめていた。
 すると、
 「……やぁ、かっこいい」
 春ちゃんがいきなりそう呟き、後ろを見た。
 目線の先は……私のクラスの男子?
 「どこどこ?」
 美々ちゃんも後ろを向き、身を乗り出した。
 やっぱり美々ちゃんも、同じクラスの男子を見てる。
 「——……いち君」
 ん !?
 春ちゃんの可愛らしい唇から出た言葉は、思わず耳を疑う言葉であった。
 『いち』と確かに聞こえた。
 でも、私のクラスには『壱』と『貴一』くんがいる。
 ど っ ち !?
 そう思い私も男子の方をガン見するが、きいくんが座った後も春ちゃんは八組男子を見つめていた。
 そして壱が座る頃に、前を向いた。
 もしや——……壱?
 そういえば、私もやっているSNS。
 壱がやっているのを知り、私はたまにこっそり壱のページを見ている。
 そのページで、春ちゃんから壱に結構絡んでるし……。
 ありえそうだよね、これ。
 私の胸の中に小さな不安が生まれたが、この時はあまり気にしないようにしていた。
