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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *再恋華*(実話) ( No.22 )
- 日時: 2016/07/29 22:59
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: u5JYbeHw)
- 参照: 今は当たり前なんて思わない
- 第十七話『交わる視線』 
 もう私が入る隙間なんて、ない。
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 次の日。
 その日も相変わらず平凡で、時間が刻一刻と過ぎていって——。
 あっという間に昼休みの時間になっていた。
 教室は一気にざわつき始め、皆お弁当を食べる準備をしている。
 私も鞄からお弁当を取り出して、お弁当箱の蓋を開けた時——。
 「美々ー!」
 いつものように教室に春ちゃんが来て、美々ちゃんに向かって手を振る。
 私はふと、春ちゃんを見たのだ。
 そんな私に気付かず、春ちゃんは視線を壱の方に向けた。
 そこで私の手は止まり、今度は壱の方を見た。
 ——壱を見れば、春ちゃんを見ている。
 ……え。
 春ちゃんは恥ずかしそうに目を伏せた後、すぐに笑顔になって美々ちゃんの所へ行った。
 そしてそのままいつものように七組へ向かい、お弁当を食べに行ってしまった。
 ……なんだか、嫌な予感がする。
 いつも予感は外れるのに、こういう時だけ当たる訳で。
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 しばらくしてお弁当を食べ終わった壱は、教室から出て行ってしまった。
 まだ嫌な胸騒ぎみたいなのが取れなかった私は、壱の背中をただ見つめていた。
 中学時代から、そうだった。
 普段あまり教室外に出ない壱が、教室から出るなんて——……。
 そこで私の頭の中で、何かが弾けた。
 ……まさか、ね。
 まさかとは思ったけれど。
 私も壱の後を追う様に立ち上がり、ある場所へと足を進めた。
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