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- Re: *再恋華*(実話) ( No.24 )
- 日時: 2016/07/29 23:00
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: u5JYbeHw)
- 参照: 今は当たり前なんて思わない
- 第十九話『痛い真実』 
 目に見えてることを受け入れなきゃ行けないのは、
 これで二回目だ。
 **
 モヤモヤとした気持ちのまま、時間は過ぎていき——。
 あっという間に放課後。
 私はすぐに教室から出て、まなと合流した。
 「まな、ごめんね急に。LINE見せてもらってもいい?」
 「……うん、ちょっとまってね」
 そこからまなの友達も現れ、共に女子トイレへ向かった。
 まなとまなの友達は私に背を向けて携帯を見ていて、私は二人の背中をただ黙って見つめる。
 すると、
 「……ごめん、やっぱ見せられないかも」
 「え?」
 「待ってね」
 まなが携帯を見つめながら、私に向かってそう言った。
 私の中ではどんどん嫌な予感が膨らんでいって。
 私は、思わずまなの肩を掴む。
 「え、なに、そんな酷い内容なわけ?」
 「……違う」
 「ならまなが見せれるところだけでいいよ、無理は言わないから」
 私がそう言うと、まなは俯いて黙り始めた。
 プライバシーもあるし、見せられないなら見せられないで仕方ないとは思うけども——。
 なんだか、予感が出来た気がする。
 しばらく沈黙が走り、まなが隣に居た友達に携帯を見せ始めた。
 「……なに、やっぱ私には見せられない酷い内容なの?」
 私がもう一度口を開くと、まなは困った顔で私を見た。
 そして友達と顔を見合わせる。
 「だって、これ……。言える?」
 「これ、なかなかエグいよ」
 まなと友達は、私に向かってそう呟いた。
 ……なんとなく、わかった。
 やっぱりそうなんだ。
 だけど、隠されたり嘘つかれるのは嫌だった訳で。
 「本当のこと言って」
 気が付けば、私はもう一度口を開いていた。
 「……」
 「……もう全部言っちゃえよ、まな」
 ずっと黙っているまなに対し、隣にいた友達はまなの肩に手を置いた。
 ——そこでやっと、まなが動き出した。
 「壱とLINEしててね……。まぁ、言った通り『依麻のことどう?』って聞いて、そういう話になったのさ」
 「うん」
 「で、壱は『そんなに俺がいいの?』って言ってて、私は『らしいよ?』って言ったのさ」
 「……うん」
 私はまなの話の内容を一つ一つ理解しながら、ゆっくりと頷いた。
 「……そしたら、『俺思ってる人がいるんだよね』って言ってて」
 まなのこの言葉を聞いた瞬間に、一瞬にして頭が真っ白になった。
 その間もまなは話を進めていたが、頭の中に入ってこなくて。
 覚悟はしていたけれど、やっぱり受け入れたくない自分が居た。
 「——で、でもまだわからないみたいなこと言ってて、私が『付き合うだけ依麻と付き合ってみたら?』って言ってみたのさ。そしたら、『好きじゃないのに付き合ってどうなるの?』みたいなことを言われて……」
 確かに、好きじゃないのに付き合ってどうなる?
 私はもう、孝仁との出来事でそれを味わった。
 孝仁は私の事が好きじゃないのに、付き合った。
 だから上手くいかなかった訳で——。
 壱に好きな子がもういる時点で、余計に振り向かせる自信なんてない。
 壱は、きっと春ちゃんが好き。
 春ちゃんも壱が好き。
 だから二人は、両想い。
 私が入る隙間なんて、最初からもう、どこにもなかったんだ。
