コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- _ほしふるまち 【短編集】
- 日時: 2015/08/30 21:19
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: HTruCSoB)
- ( 空には、こんなに星があるのに ) 
 こんにちは、村雨と申します(^ω^)
 最近無性に文章を書きたくなって、スレを立てましたv
 多分恋愛ものが多くなると思います(
 コメントやアドバイスはいつでも大歓迎です∀
 ***novel***
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 【 キラキラ 】>>4
 【 Love Letter 】>>7
 【 星明かりが眩しいから、 】>>8
 【 別れ話 】>>9
 【 愛を晒せ 】>>10
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- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.7 )
- 日時: 2014/03/16 16:07
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: IAQru7qe)
- 【 Love Letter 】 
 部活の帰りに靴箱を開けると、水玉の封筒が入れてあった。
 驚きのあまり一旦靴箱を閉めて、それから冷静に脳みそを回転させる。
 ────あの女物と思しき封筒、それが帰り際に靴箱に入っていたということは────俺にも春が来たってことか!?
 周囲に人がいないことを確認してから、再び靴箱を開けた。当たり前なのだが、そこにはさっきと同じ水玉の封筒が置いてあった。夢じゃ、ない。
 俺ははやる気持ちを抑えて、手早く鞄の中に手紙をしまう。そうして今までにないほど自転車を飛ばして家に駆け込んだ。親に「ご飯よー」と声を掛けられたが、とりあえず無視して一目散の部屋に向かう。
 ────深呼吸をして、鞄から手紙を取り出す。急いでしまったためか、封筒の端が折れ曲がってしまっていた。書いてくれた人に申し訳ないと思いつつ、ゆっくりと中身を開ける。
 『一目惚れしました。もしよければ、付き合ってください』
 綺麗な字だった。でも時々、書いているときに手が震えたのかと思われる箇所が。そして差出人の名前を見る。七組? 隣のクラスか。だけど、知らない名前だった。
 ────心臓のバクバクはしばらく収まりそうにない。
 短い文面を繰り返し読みながら、俺はまだ見ぬ差出人を想像してはニヤけていた。
 *
 化学教室に行く途中に君とすれ違って、そして一目惚れをした。
 クラスの友達に名前だけは聞いたけど、君とは全く面識がないから、そこから先はどうしようもなかった。
 同じクラスの女の子で君の友人だという子が一人いて、その子に君のメールアドレスを教えてもらうことも出来たけど、それは結局しなかった。だって、知らない人から突然メールが来たら気持ち悪いと思われるかもしれないから。
 ────だから、手紙を書くことに決めた。
 学校の帰りに便箋と封筒を買いに行った。ハート柄の派手なものも置いてあった。でもさすがにそんなあからさまなものを選ぶ勇気はなく、シンプルな水玉模様のものにした。
 家に帰っていざ手紙を書こうとすると、どうまとめていいか分からない。誰かに手紙を書くなんて、小学校のときの友達とのお手紙交換以来だと思う。
 君に伝えたいことは沢山あるけれど、そのどれもが浮かんではすぐに儚く消えていった。
 何度か下書きをしてみたけれど、どれもいまいちぴんとこない。
 あ、そういえば男の人ってメールの長文とか苦手な人が多いっていうから、手紙もあまり長ったらしくならないほうがいいのかな。
 そう思って、出来るだけ簡潔に、綺麗な字で手紙を書いた。途中で緊張のあまり手が震えてしまって、何度か書き直した。────君は、この手紙をどんな気持ちで読むのだろう。
 -----
 最初の予定より少し長くなりました;
 今時ラブレター書く人って少ないですよね((
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.8 )
- 日時: 2014/04/08 19:56
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: A.2cGB4E)
- 【 星明かりが眩しいから 】 
 コンビニで雑誌を買って家に帰る途中、公園のベンチに人影が見えた。
 後姿から推察するに、男らしいということは分かった。けど、一体何者なんだろう。もう夜の八時過ぎなんだけど。
 危ない人だったらまずいな、と思って公園から遠ざかろうとしたら────相手が振り返った。
 「あ」
 私は思わず声を上げる。
 「あれー? 吉川じゃん」
 向こうも気付いて声を掛けてくる。その声色は吹けば飛ぶくらいに軽々しく、すぐに夜の闇に吸い込まれていった。
 この男の名前は、御木本和也(みきもと かずや)。
 一ヶ月くらい前に東京から転校してきた。そして私の隣の席になった。
 大都会東京から小さな田舎町にやってきた転校生のことをクラスの皆が放っておくはずはなく、彼はすぐに注目の的になった。なのに、そこからクラスの誰かと親しい関係に発展することはなかった。
 転校してきてから二週間を過ぎると教科書やノートをまともに持ってこなくなり、その度に私が貸す羽目になった。御木本は最初「わざわざごめんねー」とか笑って言っていた。でも彼は、次の日もその次の日も授業の用意を持ってこなかった。
 そして次第に遅刻と欠席を繰り返すようになった。そんな御木本の周りには、いつしか誰もいなくなっていた。
 「年頃の女の子がこんな時間にウロウロするなんて、感心しないなあ」
 「夜中に一人で公園のベンチで座ってるような変人に言われたくないんだけど」
 「俺は星を見ているだけだ」
 「は、星?」
 「吉川も見てみろよ! 凄く感動するから!」
 御木本は目を輝かせながら言う。こんなロマンチックなキャラだったっけ。
 手招きをされたので、私は御木本の隣に腰掛けて空を見上げた。
 ──────漆黒の闇に無数に輝く星。初夏の生暖かい空気に包まれて、そのどれもが優美に瞬いている。
 「……確かに綺麗だね」
 私は正直に感想を言った。
 「だろー?」
 「でも感動はしない」
 「なっ!? この光景見て感動できないなんて、人生の六十パーセントくらい損してるぞ!」
 「これが普通だからね」
 「マジかよこの贅沢者めー」
 そうかなあ、と言って左隣にいる御木本を見る。
 彼は端正な顔立ちをしている、とつくづく思う。星明かり以外に照らす物のないその横顔は、いつにもまして色白に見えた。
 「学校来ない日って、何やってるの?」
 会話が途切れたので、私は前から気になっていたことを質問してみる。
 「んー……、虫捕りとか、魚釣りとか」
 「小学生かよ」
 「立派な高校生ですけど」
 「……そんなことしてて良いの」
 「まあ、俺の青春ですから」
 御木本は屈託なく笑う。
 「でもこんなド田舎に来たこと、後悔してるでしょ」
 「べっつにー」
 「学校で浮いてるのに?」
 「群れることだけが楽しいとは限らない」
 そう言って彼は私の顔を直視する。強がっているようにも格好付けようとしているようにも見えなかった。御木本が何を考えているのかはよく分からないけど、とりあえず彼は彼で楽しくやっているのだと思った。
 「あんたって変わってるよね」
 「吉川も変わってるよ」
 「へ、私?」
 まさか御木本にそんなことを言われるとは。不意を突かれた私は、動揺を隠すために上を向いた。
 「だって俺に対する吉川の態度って、転校してきたばっかりのときも今も全然変わらないじゃん」
 「そうかな」
 はっきり言って、自覚はない。
 「ほかの人は俺から離れていったけど、吉川は違うじゃん」
 「そうかな」
 「俺は吉川のそういうところ、好きだよ」
 御木本は真顔でそう呟いたかと思うと、私の腕を掴んで一気に抱き寄せた。
 途端に顔と顔の距離が近くなる。だけど、御木本はいたって平然としているように見えた。やっぱりこの人は変人だ。────いや、変態か?
 でも今すごく、御木本が眩しい。
 -----
 タイトルの「ほしふるまち」と絡めたお話。
 御木本は……あれです。何を考えているのか分からない設定ということで、何でも有りな人物です((
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.9 )
- 日時: 2014/04/08 19:59
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: A.2cGB4E)
- 【 別れ話 】 
 「ねえ健人っ、今度二人でどこかに出掛けない?」
 「……今度って、いつ?」
 「そうだなあ、明日は?」
 「明日はバイト」
 そう言って健人は、携帯型ゲーム機の液晶画面に視線を戻す。
 私と健人は、高校三年のときに初めて同じクラスになった。たまたま席が近くになることが多かったから自然と話す機会が増え、そして高校の卒業式の日に私から告白した。
 もうすぐ、付き合い始めて二年になる。
 最近は、健人のアパートで一緒に過ごすことが多い。大抵私は小説を読み、健人はゲームをして過ごす。別に恋人らしいことをするわけでもなく。
 私のほうからデートに誘っても、面倒臭いとか言って断られることが増えてきた。不満といえば不満だ。
 私は液晶画面に夢中になっている健人の横顔をみつめる。
 「バイト忙しいの?」
 「あー、うん」
 素っ気ない返事。
 「次の休みっていつ?」
 「…………」
 無視、ですか。
 付き合いたてのころは、寡黙で誰にも媚びないところが格好良いと思っていた。でも今は、そんなところがかえって嫌に思えるときがある。
 「あ、そ、そういえばこの前の飲み会で先輩がねっ、」
 「香織、ちょっと黙ってて」
 「…………何でよ」
 「今ラスボスと戦ってるから」
 ──────賑やかなゲームの効果音が部屋中に虚しく響く。私の頭の中で何かが、切れた。
 「ばっかじゃないの!? 大学生にもなって、そんなゲームのどこが楽しいのよ!」
 自然と声が大きくなる。健人は私の異変に気付いたのか、さすがに画面から目を離した。なのに、わざわざ一時停止ボタンを押すところが目に付いて、苛々した気持ちに拍車がかかる。
 「何だよ、急に大声出して」
 「健人が悪いんでしょ」
 「どういう意味だよ」
 「分からないなら別にいい」
 私はむくれて黙り込む。今の自分が駄々っ子に過ぎないことは分かっていた。でも、既に後に引けなくなっていた。
 「香織の思ってることなんか……そんなの、言葉にされないと分かるわけないって」
 正論を言われた。追い詰められた私は、最後の切り札を出す。
 「…………別れよう」
 そう言って、健人の顔も見ずに立ち上がる。背中を向けたときに名前を呼ばれたけど、何も答えずに靴を履き、外に出た。
 ほとんど駆け足で階段を降りる。────嫌い、大嫌い、あんな奴。冷たいし、人の話聞いてないし、ゲームオタクだし。
 ああ言って正解だったんだよ、と自分に何度も言い聞かせる。
 *
 アパートを後にするとき、一瞬振り返って部屋の窓を見た。もしかしたら健人が私を追いかけてくるかもしれない、という淡い期待が胸をかすめる。
 何を期待してるんだ私、ばっかみたい。
 -----
 別れ話、ということで切ない感じにしたかった。
 でも重くなり過ぎないようにしたかった((
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.10 )
- 日時: 2014/04/08 19:42
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg (ID: A.2cGB4E)
- 【 愛を晒せ 】 
 木の葉が色付き徐々に日が短くなり始めた十月の中頃、学校からの帰り道は少し薄暗い。
 「なんか最近寒いよねー」
 短いスカートと長い茶髪を風に揺らしながら、俺の彼女のユイは言う。
 「そんなにスカート短くしてるからだろ」
 「あはは、そうかもねー」
 俺たちは夕暮れの河川敷を歩いていた。右手には草地が広がっていて、左手には斜面がありその先に川がゆっくりと流れている。
 「ねえ洋輔、」
 それまで俺の数歩先を歩いていたユイが、不意に足を止めて踵を返した。
 上目遣いで見つめられて、思わずドキッとする。辺りが薄暗いせいか、ユイの顔はいつもより大人びているように見えた。
 そうして俺を見つめたまま、一歩ずつ歩み寄ってくる。彼女が何をするつもりなのか、何となく想像がついた。
 「ちょ、ちょっと待て」
 「今なら誰も見てないから大丈夫だよ」
 ユイは平然とそう言うと、俺の肩に腕を回してそっとキスをした。
 シャンプーの香りがして、柔らかい唇が当たる。すぐにユイの舌が俺の舌に絡んだ。さっきまで涼しかったはずなのに、一気に身体中が暑くなっていく。心臓がうるさいくらいに脈を打った。
 キスはかなり長く続いたように思えた。やがて、彼女のほうから唇を離した。恥ずかしさのあまり、どうしていいか分からずにドギマギしている俺を見て、彼女はクスリと笑う。
 「意外と気が小さいんだね」
 そうして彼女は、何事もなかったかのように再び歩き出した。俺も後を追うようにして歩き始める。
 ( ユイはいつだって、俺の先を行く )
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 更新頻度ガタ落ちですねすみませんorz
 キス描写はくどくない程度ならおkらしいのでくどくない程度に書きました、多分((
 ユイは小悪魔っぽいイメージですね(
 読者様にそれが伝わっていれば幸いです(・ω・)
- Re: _ほしふるまち 【短編集】 ( No.11 )
- 日時: 2014/04/08 19:45
- 名前: 梅乃 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
- う、上手いっ!! 
 お見事、としか言いようが——(・_・;)
 でもコレ、短編集じゃもったいないですよ〜?
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