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- 好きな人 と 私の唇 。
- 日時: 2016/03/04 18:36
- 名前: 蒼奈 (ID: Aw5kQYTw)
 
 「 やっぱお前が一番だわ 」
 あなたはそう言うけれど、一番なのは私じゃなくて、
 私の 唇だけ でしょう?
 
 神田 晴菜
 杉本 遼
- Re: 好きな人 と 私の唇 。 ( No.4 )
- 日時: 2016/03/15 16:42
- 名前: 蒼奈 (ID: Aw5kQYTw)
 +
 「 神田ー 」
 「 はーい 」
 夏休み。補修。英語の先生は私に次の英文を当てる。
 「 うーん……分かりません 」
 「 お前また課題出すからやってこいよ 」
 先生はそう言ってまた私にたくさんのプリントを渡す。
 英語は苦手だけど、嫌いじゃない。むしろ好き。
 だって、遼の一番得意な教科は英語だから。
 英語苦手だったら遼に教えてもらえる。相手してもらえる。
 だから私は英語苦手でもいいと思っていた。
 また、遼に教えてもらおっと。なんて考えてたんだけど……。
 「 えー、今日教えてくれないのー? 」
 「 ごめん、ってお前また課題出されたの? 」
 机の上のたくさんの課題を見て遼は溜息をつく。
 出されました。私だけ。
 
 「 教科書と辞書見てやればできっから。頑張れ 」
 机の上の辞書をトントンと指で叩いて私に言う。
 理由は言わないけど、多分今から彼女さんとデートなんだろうな。
 言ってくれていいのに。
 「 ……うん 」
 プリントに目を移して返事をしていたら
 遼に顎をくいっと上げられて遼の唇が近づいてくる。
 「 遼ー行くよー! 」
 後少しで唇が触れられるところで、遼を呼ぶ声がした。
 一気に離れて、遼は声のする方へ顔を向けた。
 「 じゃあ、俺行くな 」
 「 うん。またね 」
 キス、出来なかった。
 なんか寸止めされた気分で、いい気分じゃない。
 どうせ遼はこの後彼女さんとキスするんだろうな。
 
 私は遼以外の人とキスしたことがない。
 遼とのキスは嫌いじゃない。むしろ好き。
 でも、これが一番気持ちいいのかなんて比べようもない。
 別に比べなくてもいいと思ってる。
 だって、遼が好きだから。
 キスするのは遼だけで十分。
- Re: 好きな人 と 私の唇 。 ( No.5 )
- 日時: 2016/03/15 16:48
- 名前: 蒼奈 (ID: Aw5kQYTw)
 +
 「 神田、昨日出した課題やり直し 」
 「 えっ 」
 徹夜で頑張った課題はすぐに私の手元に戻ってきた。
 あんなに頑張ったのに?
 「 お前その前の課題ちゃんと出来てたのに、なんだよこの差は 」
 先生は呆れながら私を見る。
 それは遼に教えてもらったからです……
 なんて言えず、大人しくやり直しの課題を受け取った。
 遼、今日は教えてくれないかな。
 昨日デートしたなら今日はしないでしょ。
 そう考えてたら、職員室から出てくる遼を見つけた。
 なんか、かっこいいなあ。
 「 お、晴菜じゃん。昨日の課題できたか? 」
 遼は近づいてきて私を見下ろす。
 背高いなあ。
 「 出来なかった 」
 「 はあ? 」
 遼は呆れながら私の差し出したプリントを取った。
 無言でプリントをめくっていく。先生の赤ペンのペケだらけ。
 「 ……お前、これはひどいな 」
 遼は笑いながら言う。失礼な……!
 「 頑張って解いたんだよ! 」
 ちょっと涙目になりそう。頑張って解いたのに!
 「 泣くなよ、今日は教えてやるから 」
 遼はそう言って私の頭をつかんでぐわんぐわん回す。
 「 え、やった! 」
 その言葉を待ったました!かのように喜ぶ私。
 でも、その私の後ろから聞き覚えのある声がした。
 「 遼ー! 」
 遼の彼女さんだ。
 「 あ、七海(ナツミ)。どうしたー? 」
 彼女さん七海って言うんだ。
 いつも彼女さんって呼んでたから初めて名前知った。
 「 ちょっといいー? 」
 「 おう。先にやっといて 」
 遼は私にプリントを渡して七海さんの所に行った。
- Re: 好きな人 と 私の唇 。 ( No.6 )
- 日時: 2016/03/15 19:34
- 名前: 湯呑ゆざめ (ID: HT/LCIMm)
- はじめまして!(^^)!湯呑ゆざめと申します。 
 この作品すごくスキです〜キスがいちいちドキドキしますn((
 これからも更新頑張って下さいね、応援してます。
 また、来ますっ。
- Re: 好きな人 と 私の唇 。 ( No.7 )
- 日時: 2016/03/15 23:49
- 名前: 蒼奈 (ID: Aw5kQYTw)
 湯呑ゆざめ 様
 コメントありがとうございます!
 好きだなんて、嬉しい限りです。
 更新頑張ります。^^
 
 遅くなりましたが、少しばかりご挨拶を。
 初めまして、蒼奈と申します。
 今回の小説は以前も少し書いていて途中で放置してしまったものです……
 すみません。。
 今回は完結するように頑張ります。
 よろしくお願いいたします(^O^)
- Re: 好きな人 と 私の唇 。 ( No.8 )
- 日時: 2016/03/15 23:55
- 名前: 蒼奈 (ID: Aw5kQYTw)
 「 はあ 」
 あれから遼は来なくて、来たのはメールだけ。
 今日も無理かも。ごめん。
 とりあえず文法確認しろ。単語は合ってるから。
 ……だって。七海さんとデートかな。
 なんとなくだけど七海さん私に遼を近づけないようにしてると思う。
 勘だけど。女の勘だけど。
 遼とキスしてるのバレてたりして……?
 そんなことバレたら遼と別れるよね、普通。
 「 あ、裕ちゃーん 」
 廊下を歩いていた裕ちゃんを教室から呼ぶ。
 「 あ、晴菜。勉強? 」
 裕ちゃんは教室に入ってきて座ってる私の前に立つ。
 「 課題のやり直し 」
 私のプリントを取り上げてパラパラとめくる。
 「 これはひどい 」
 笑いながらプリントを見る裕ちゃん。もう……っ!
 「 遼にも言われた 」
 「 あれ、今日は遼いねえの? 」
 裕ちゃんは不思議そうに私の顔を見る。そんなに遼いないの不思議?
 「 振られたー 」
 「 彼女か。最近よく一緒に居るんだよな 」
 「 キスしてるのバレちゃってたりして 」
 私の発言に目を丸くする裕ちゃん。
 そんな驚かなくてもいいじゃん。嘘だよ。
 「 冗談だよ 」
 笑う私を見る裕ちゃんの顔は変わらない。
 え? まさかほんとに……?
 「 あーも、ビックリした。それバレたら彼女さんに晴菜殺されるかもな 」
 笑いながら言う裕ちゃんの目はなぜか本気に見えた。
 殺される……?
 そんな重大なことしてるのかな、私たちって。
 「 そんなに……キスってダメなことなのかな…… 」
 「 え? 」
 「 ううん。なんでもない。
 ごめんね呼び止めちゃって。なんか用事あったでしょ? 」
 首を振って笑顔を裕ちゃんに向ける。
 裕ちゃんは一瞬戸惑ってたけど、教室を出て行った。
 「 うー……ん 」
 キスって一言で言っても、私たちのキスはなんでもない。
 心のこもってないキス。
 遼の快楽のために私の唇を提供してやってるだけ。
 
 「 ……っ 」
 あーあ。泣きそう。
 遼にキスされるだけで十分だったのに。
 最近どうもそれだけじゃ満足しないみたいで。
 ——ダメだなあ。
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