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- 明日へのエール 第1話
- 日時: 2016/06/13 17:43
- 名前: 香鈴 (ID: 96KXzMoT)
- もし、過去に戻れるとしたらあなたはどうしますか? 
 いつに戻りたいですか?
 これは、過去に戻れる能力を身につけた少女の淡い恋の物語。
 * * *
 …………
 「…いや、大丈夫」
 「そ、まぁとにかく苺ジャムお願いね」
 …………
 「ねぇ、今日って家庭科調理実習だよね、やったね!」
 「えっ」
 そんなこと、聞いてなかった。
 「…まさか栞忘れたの?」
 「エプロン持ってきてないー!春妃、先生そんなこと言ってた?」
 「…昨日言ってたよ」
 「忘れたーーー!」
 私、一ノ瀬 栞は廊下を全力で走った。
 今なら人のいないところでお母さんに携帯で連絡すれば持ってきてもらえるかもしれない。
 人の多い階段をすり抜けて降りていた時。
 がくっ
 階段を踏み外した。
 私は宙に浮いていた。
 スローモーションみたいに人の上を浮いていて
 気付いた時には
 転げ落ちていた。
 微かに記憶にあるのが
 私の想いを寄せている人、三谷原 陽君がいたこと。
 あぁ、死ぬのかな。
 まだ私、陽君に告白してないのに。
 こんなところで死ぬのかな。
 嫌だな………
 保健室のベッドにいるのかな、病院のベッドかな、
 というかまず、私今本当に生きてるのかな。
 目を覚ますとそこは
 家だった。
 「おはようございます。ニュースおはようの時間です。今日は7月3日水曜日です。ではまず昨日の夜未明に入って来た速報をお伝えします。昨夜、自動車3台による事故がありました。重傷が1人、軽傷が…」
 いつも毎朝見ているニュースの音声が1階から聞こえた。
 私は自分の部屋のベッドにいて脇の時計を見ると朝の7時04分だった。
 「栞〜!遅刻するわよー」
 あれ…これ、なんか1時間前くらいに聞いた台詞な気がする。
 布団を剥いで体を見ても何の怪我も無かった。
 「栞〜!」
 「…今行くー」
 何だ、これは。
 何が起きてるの?
 「はい、トースト。あ、苺ジャムきれちゃったわ。栞、学校の帰りに買ってきてくれる?」
 「……」
 「栞、聞いてる?」
 「あと、今日調理実習あるからエプロン貸して」
 「勿論よ」
 「…お母さん、今日何日?」
 「?4日よ」
 「…2回」
 「ん?どうしたの」
 「お母さんの今言ったこと、さっきも聞いた」
 「…具合でも悪いの?」
 「…いや、大丈夫」
 「そ、まぁとにかく苺ジャムお願いね」
 「おはよう、栞」
 「おはよう、春妃」
 「ねぇ、今日って家庭科調理実習だよね、やったね!」
 「うん、エプロン持ってきた!」
 「楽しみだねー!アイス作りとか夏の特権っ!」
 「ねぇー、楽しみ!」
 そう相槌をとり、私はさりげなく教室前方の黒板の脇の日付を見た。
 …7月3日水曜日。
 私は今日の出来事を思い返した。
 おはようニュースの同じ台詞
 お母さんが頼んだ苺ジャム
 春妃の言ってた調理実習のこと
 日付
 …分かった
 信じられないことだからわかりたくなかったけど
 時間が戻ったんだ。
 
 ▽▲第2話に続く△▼
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- Re: 明日へのエール 第1話 ( No.1 )
- 日時: 2016/06/13 17:53
- 名前: 香鈴 (ID: 96KXzMoT)
- 皆さん閲覧ありがとうございます! 
 作者の香鈴です(^^)
 私は、過去に後悔していることがたくさんあって
 やり直せたら良いな、もう1度チャンスが欲しいな、と思ったことがあります。
 そんな私は過去に戻れるようになったら、という物語を書いてみたくなり、今こうして書いている訳です。
 実際戻れたらやりたいことがたくさんあると思います。
 主人公の健気さや頑張りに共感して頂くと共に、この物語の世界観に浸りながら最後まで楽しんで頂けたら幸いです!
 また、私はこちらの物語のご感想・コメントをお待ちしています。
 たくさんコメントが頂けましたら私の執筆にもますます力が入ります。
 読んで頂きましたら、是非ご感想を書いて下さい。
 泣いて喜びます(^-^)/
 お暇な時にはこちらの「明日へのエール」読んでみて下さい。
 随時更新する予定です。
 では、また第2話でお会いしましょうっ!!
 ○*香鈴*○
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