コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.82 )
- 日時: 2014/10/29 16:37
- 名前: 雪兎 (ID: hqWYiecP)
- 第十四話 <対抗戦編> 
 俺は、フィリアたちが遠くへ行ったのを確認すると、改めてリーダーたちに向き直った。
 リーダーが話し始めた。
 「まだ二人も隠れていたとはね。……さて、そろそろ始めようか。」
 緊張でコチコチに固まっているハクとは違い、冷静な頭で考える。
 リーダーの名前は、確かディック。使用武器は細身の長剣。隣の男は…アベルといったか。武器はまだ隠してやがるな。
 俺は鎌を巨大化させ、余裕の笑みを顔に貼り付けながら言った。
 「……賛成だ。俺も気が長い方じゃないんでな。」
 そのあと、ハクにそっと呟く。
 「俺が突っ込むから、お前は援護を頼む。…信頼しているからな。」
 ハクは衝撃を受けたようにビクッと気をつけをし、それから震える声で「はい…!」とだけ言った。
 まだ緊張は残るものの少しはほぐれたようだ。俺のファンだか何だか知らないが、使えるものは使っておかないとな。
 「おい、準備はいいかテメェら。…行くぞっ!!」
 俺は大鎌を構えて飛び出した。二人がハッとして身構える。…とりあえずは武器が無い方から!
 「甘いッ!見くびるなッ!」
 アベルはニヤリと笑い、出現させた杖を地面に突き立てた。
 するとそこから突然大きな地割れが広がり、全てを飲み込もうとする。
 後ろで、ハクの「わっ!あっぶね!」という声が上がる。
 俺は冷静に飛び退って避ける。なるほど、地属性か。相性はいいな。
 …で、そっちのリーダーの魔法が知りたいわけだが。
 ちょっとゆすってみるか。
 「おい、リーダー…じゃなく、ヘタレさんよ。あんたも攻撃してきたら?それとも怖くて動けないっかなー?」
 するとディックの顔は見る見るうちに赤くなった。…うわあ、こういうわかりやすいタイプにちょっかい掛けるのってやっぱおもしれえわ。
 だがリーダーは馬鹿みたいに突っ込んでくることは無く、ただフッと笑った。
 「…っはは。今に見ていろよ、お前に恥をかかせてやる。なあ、戦いってのは……こういうやり方もあるんだぜッ!!」
 セリフと同時にディックが飛び出した。
 なんだ、やっぱり馬鹿だな、と思いながらぼんやり見ていると、思いもよらずディックはジークの横を素通りした。
 …何ッ!?
 少し焦った頭で考える。俺の後ろにいるのは…。
 「なんで僕ーーー!?」
 ハクの情けない声とともに後ろを振り返ると、勝ち誇ったような顔のディックと、後ろから喉元に剣を突きつけられているハクの姿があった。
 ジークは、盛大にため息をついた。
 はあ……
 メンドクセェことになったな…。
 次回、第十五話。お楽しみに。
 今回は短めです!すみません。
