PR
 
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Last Days ( No.8 )
- 日時: 2015/08/28 20:38
- 名前: 久遠 ◆rGcG0.UA8k (ID: 0.f9MyDB)
- 飛鳥side 
 保健室につくと先生が不在だった為、僕達で天海さんをベットに寝かせる。
 多分、軽い熱中症だとは思うんだけど……心配から傍を離れずにいた。
 「ねぇ、飛鳥に聞きたい事があるんだけど」
 「何、改まって」
 ベット傍らにあった椅子に二人で座って伊織の言葉に耳を傾ける。
 「飛鳥は本気で優月の事が好きなの?」
 「は、何言って——」
 「答えて」
 真剣な表情に声音。伊織は本気で聞いてるんだと伝わってくる。
 僕はそれに真剣に答えなきゃならない。
 本来なら——チラリと眠ったままの天海さんを盗み見る。
 多分、僕が本当に好きなのは天海さんだ。でも、それを伊織に言う訳にはいかない。
 僕は伊織の為なら何でもするって決めたんだから。
 「そうだよ、言っただろ優月の事が気に入ったって。だから伊織には絶対に渡さない」
 「……それが飛鳥の本心なんだな?」
 「だからそうだって言ってるだろ」
 伊織の言いたい事が分からなくて苛立たしげにそう言い切る。
 一体、僕に何を言わせたいっていうんだ。
 「分かった……なら、俺も手加減しない。優月の事が好きだから」
 「何言って——お前、それがどういう事か分かって言ってるのか!」
 「分かってるよ、分かってるけど……優月のこと諦めたくないから」
 いうだけ言って出ていこうとする伊織を僕は追いかけた。
 これじゃ、僕が何のために優月を好きだって言ったか分からない。
 全部、伊織の為だっていうのに。
 「伊織は何も分かってないよ、お前は来年——日本にいないんだぞ……」
 呟いた言葉は届くことなく消えていった。
 PR
 
 
 
